Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

飯沢耕太郎×畠山直哉「写真的思考とはなにか」(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20100110#p7)の内容は……

鈴木心くんと畠山直哉さんの対談(2008年12月14日 http://d.hatena.ne.jp/n-291/20081205#p4)で語られた、
「写真には心がうつる」発言(畠山直哉さんの変節?*1)のその後が気になってましたが、どうだったんでしょうか。
トークショーを見に行った方のTwitterによると、今回は持ちネタのCG話が出たようです。


◇ 畠山さんの大阪球場の写真で、見ている人がデジタルの加 ... - OC (waraisugi) on Twitter

畠山さんの大阪球場の写真で、見ている人がデジタルの加工をいれているのかと必ず聞くらしいのだけど、「実際の映像だ」と答えた時と、「加工している」といった時を比べると必ず実際の映像だと答えた時にうれしそうな顔をするとのこと。この話はとてもシンプルだが何か大事なことを示しているはずだ。 9:54 AM Jan 10th webで

http://twitter.com/waraisugi/status/7599190822


◇ tamaotto (tamaotto) on Twitter

↓ 人は全ての場所、全ての風景を、映像で見尽くしてしまっていると思っているのかもしれない。でも、まだまだ知らない風景、知らない世界、見たこともないような見方があるのに、全てを見たと思っている。写真家は、人々の頭の中にある、この既視感を破壊していく人なのかもしれない。 10:07 AM Jan 10th webで


↓それと、最近は、現実にはありえないような風景の写真を見ると、「これは合成ですか」と聞いてくるという話も面白かった。これは二つ問題があって、一つはデジタル写真とはありえないようなものであるという思い込みがあること、そしてもう一つは、 10:04 AM Jan 10th webで


↓ ただ、そういった今までの写真らしさへの評価が、デジタル写真が一般化した今、ゆらいでいるという話も出た。この写真がデジタル処理をしているか、していないかによって、その写真の評価が変わってくるのであれば、写真を見るということは常に、判断を保留しないといけないという話。 9:58 AM Jan 10th webで


↓ 畠山さんの写真を見て、「デジタル合成していますか?」と聴く人が増えていて、そういう人に冗談で「はい」というとがっかりされて、「いいえ」というと嬉しがられる、という話が面白かった。写真が捉えた偶然の贈り物を喜ぶというプリミティブな感性がまだ人にはあるという話。 9:53 AM Jan 10th webで


その後、飯沢さんの『写真的思考』刊行記念トークショー(ゲスト畠山さん)を聴きに行く。飯沢さんの本の話がメインかと思いきや、畠山さんの「A BIRD」シリーズが話の中心だった。そういえば、今日購入した佐内さんの写真集も1枚目は、同じく鳥の写真。偶然のつながりが面白い。写真日和。 9:50 AM Jan 10th webで

http://twitter.com/tamaotto

      • -


>>>junk words(mixiの記述 2004-2005年から)

畠山直哉さんは、写真を見せた人から
「これはCGですか」と訊かれることが
非常に多いそうです。
インタビューや対談で何度かそう語っています。


「というのは、観客は、これがコンピューター・グラフィックスなのか写真なのかが、わからないといってるわけだから、ぼくの返答次第で、写真がCGになったりCGが写真になったりするということでしょう。『はい/いいえ』によって、その人における写真の表象、意味合いが変化してゆく。これは本当におもしろい事態じゃないんだろうか、と。」
「おもしろいのは、『これCGですか』といわれるのは、最近のことなんですが、それ以前も同じものを見せていたってことなんですよ。そのときには、そんなことはいわれなかった。つまりCGが観客の体験として一般化されてきた。」
国書刊行会『写真との対話』所収
 鼎談「そして写真は続く」より畠山直哉の言葉)


過去の視覚的経験がものの見方や見え方を規定していく、
ということでしょうか。長々と引用する必要もなかったかな。


そういえば、「これはCGですか」の「CG」を
ピカソ」や「ゴッホ」に置き換えて考えてみても、
ありふれた議論になりますが、面白いかもしれません。


A:「これはピカソですか」
B:「いいえ」
A:「ああ、やっぱり。思ったとおりです。
   作風が似てるというだけで凡庸なんですよね」


A:「これはピカソですか」
B:「はい」
A:「ああ、やっぱり。思ったとおりです。
   凡百の作品にはない独特の存在感がありますよね」

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090212#p2

*1:神奈川近美での展覧会のカタログにも、そうした兆候はあったような。。。
  http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%c8%ab%bb%b3%c4%be%ba%c8%a1%a1%bf%c0%c6%e0%c0%ee%b8%a9%ce%a9%b6%e1%c2%e5%c8%fe%bd%d1%b4%db