Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

映画『ザ・コーヴ』上映中止 関連

◇ 第49回|マガジン9 映画「ザ・コーヴ」を観た - 鈴木邦男の愛国問答

 映画「靖国」以上の騒ぎになりますよ、と新聞記者に言われた。「露骨な反日映画です」「意図的な日本バッシングです」という記者もいる。どちらかというと左翼的な新聞の記者がそう言う。じゃ、相当酷いのだろう。産経新聞などでも、「これは大問題だ」と何度も取り上げていた。そんな「反対ムード」もあってか、日本では上映できなかった。だが、意を決して今年の夏から上映する予定だという。

 その試写会に招待された。4月20日だ。気が重かった。映画「ザ・コーヴ」だ。右翼の街宣車が取り囲み、騒いでいるのでは… と思ったが、それはなかった。でも劇場公開したらドッと押し寄せるだろう。それに保守派の市民団体や政治家も騒ぐだろう。新聞、週刊誌、テレビも面白がって報道し、騒動を煽るだろう。「これは日本の文化だ。外国人が何を言うのだ!」という声が圧倒するだろう。 「日本は日本だ。外国人は口を出すな!」と叫ぶ。それが「愛国心」だと言う。さらに抗議は広がる。「外国人は出ていけ、参政権を与えるな、与えたら日本は乗っ取られる」「北朝鮮なんか攻めちゃえ。核武装しろ!」と排外主義はエスカレートする。これはもう「愛国」ではない。民族排外主義だ。でも、感情に訴えるのが一番分かりやすいし、人々も容易に煽られる。

 オバリーはイルカ漁をやめるなら、その分の資金援助をしよう、と言った。これは是非、日本人でやるべきだ。「私も金を出す」という人がドッと出るだろう。貧乏な僕だって協力する。世界中から金を集め、それで太地町のイルカ漁を辞めさせるのでは日本人の恥だ。日本人で金を集めて、イルカ漁を辞めてもらおう。そして太地町を救おう。
 この映画は「反日映画だ!」「国辱映画だ!」と言う人も多い。しかし、2010年、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞し、世界中で上映されている。もし上映反対運動が成功し、日本だけが上映されなかったらどうなる。「日本はそんなに偏狭な国か」と叩かれる。それこそ「国辱的事件」ではないだろうか。叩かれるのはいい。ただ、伝統・文化だと言いながら、何ら説明も出来ず、批判を封殺し、話し合いにも応じない。そう思われてはマズイだろう。
 イルカ漁については、僕の思い込みもあるだろうし、間違っている点もあるだろう。でも、「上映拒否」だけはやめてほしい。上映した上で、イルカ漁に「反対」「賛成」の人も含め、大いに論議したらいいと思う。僕も逃げないで、どこにでも出かけてゆく。食文化について。伝統・文化について。ドキュメンタリーに何が出来るのか。日本では何故、こういう映画が出来ないのか。…などについて大いに論じたらいい。その意味では、この映画が大騒ぎになることは大歓迎だ。

http://www.magazine9.jp/kunio/100428/


◇ 上映中止になった『ザ・コーヴ』をシンポジウムで上映!一水会顧問の鈴木氏らが白熱議論を! - シネマトゥデイ

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 日本のイルカ漁を描いた映画『ザ・コーヴ』がたび重なる抗議活動や街宣予告を受け東京での上映中止に追い込まれたが、6月9日に雑誌「創」が主催する「アカデミー賞映画『ザ・コーヴ』上映とシンポジウム」では、予定どおり上映されることがわかった。

 シンポジウムの登壇者にはオウムを撮った映画『A』の森達也監督。イラク戦争報道で知られる映像ジャーナリスト綿井健陽氏、イルカの問題に詳しい坂野正人氏、一水会顧問の鈴木邦男氏が参加、司会は「創」編集長の篠田博之氏が務める。

http://www.cinematoday.jp/page/N0024816


◇ 『ザ・コーヴ』市民活動団体からの街宣活動予告により東京での上映中止が決定 - webDICE - 骰子の眼
http://www.webdice.jp/dice/detail/2481/


◇ イルカ漁映画 配給会社が対応 - NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100604/t10014907131000.html


◇ イルカ漁映画 上映中止広がる - NHKニュース

日本のイルカ漁を批判的に描いたアメリカのドキュメンタリー映画について、特定の団体からの抗議を理由に、3日、東京の映画館が上映を中止したのに続いて、4日、さらに東京と大阪の2つの映画館が上映の中止を決めました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100604/k10014916181000.html


◇ イルカ漁映画「ザ・コーヴ」 抗議活動で次々と上映中止 - asahi.com朝日新聞社

 試写会などでこの映画を見た日本の映画監督たちは、どう考えているか。

 「誰も知らない」などの作品で知られる是枝裕和監督は厳しい評価だ。「自分たちの『正義』を絶対視しないことが異文化を取材する時に求められる態度だろうが、その姿勢を感じない。イルカが可哀想という感情と自分たちの正義に酔っており、プロパガンダ(宣伝)としてもレベルが低い」と話す。

 これに対し、オウム真理教を題材にしたドキュメンタリー映画「A」の森達也監督は擁護する。「メッセージ性だけでなく、優れたエンターテインメントになっている」とした。隠し撮りが批判されたが、「真実に迫るために必要な場合もある。手法が不当とは言えない」と述べた。

 だが、作品評価は異なる両監督でも、上映中止を求める動きについてはともに批判。是枝監督は「日本の文化に口を出すなという態度もおかしい。それでは彼らと同じ視野狭窄(きょうさく)と島国根性に陥ること。相手を理解しようとする回路は持ち続けなければ」。森監督も「日本人監督の作品だったら抗議はあったのだろうか。反論があるならそれを表現して多くの人に見せ、多様な視座を社会に作っていくしかない」と指摘した。(石川智也)

     ◇

 〈「ザ・コーヴ」をめぐる動き〉 題名は「入り江」の意味。環境保護団体が2005年から3年半かけて撮影した。反捕鯨活動家を主人公に、イルカ漁の「残酷さ」を告発する内容だ。欧米では昨年に公開され、各地の映画祭で受賞し、高い評価を受けた。今年3月にはアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した。

 賛否ある作品上映をめぐっては2年前、「靖国 YASUKUNI」に「反日映画」と右翼団体員などが抗議。封切り5館のほか上映を自粛する劇場が相次いだ。

http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY201006050158.html


>>>THE Cove(日本語吹替版) ネットで観賞可能に - Training Happy days.
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20100412#p3