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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

特別展「今成家写真:写真との出会い 幕末から明治、新潟にて」@Broiler Space|ブロイラースペース

10月12日(火)〜10月23日(土)
http://broilerspace.facio-web.com/
http://broilerspace.facio-web.com/access.html


◇ Broiler Space特別展 今成家写真展 - Chikako Enomoto Web DAEDALUS

本日、無事今成家写真展の搬入作業が終了しました。火曜日から、幕末から明治にかけて、奔放な写真を取った今成無事平の写真展がはじまります。

Broiler Spaceは美術館のような保存環境の整備はできません。Broiler Spaceは夏暑く冬寒い過酷な環境ですし、雨が降れば湿度が上がり、時には虫もでるしまつ。壁には傷がつき、穴があいている。

それゆえ貴重な古写真の現物を展示する事は危険過ぎてできません。今回は原版から、デジタルデータを作成し、そこからプリントを作成しました。しかし、それをうまく逆手に取った、いままでにないような古写真の展示となったと思います。

B0という巨大な画面が並ぶ1階、自由に写真を並べた2階。現物の魅力を見せる展示は、美術館などのそれにふさわしい展示会場にゆずり、Broiler Spaceは現在進行形の写真制作の場として、古写真を使って、新しい空間を提示することを選びました。

この方法は、あまりにも挑戦的かもしれません。しかし、まだまだ写真が都会の写真師達限られた人々のものであった時代に、仕事としてではなく、個人的な想像力と強い好奇心をもって写真を撮影した今成無事平が残した作品を展示するためには、相応しいのだと私は考えます。

さらに、巨大なプリントを作成してみて分かりましたが、小さな原版からは分かりにくい、細かい人々の表情や着物の模様、写真の迫力や躍動感に改めて気付かせてくれるという点で、このような展示はただ目新しいというだけでなく、資料を研究対象として見るためにも役立つことが出来ると思います。勿論、現物と一緒に展示できればそれにこしたことはありませんけれども。

幕末、明治期の写真師の作品に見られるような定型には容易に収まり切らない、今成家写真の生々しい表現を、ぜひこの機会に多くの人々に見ていただきたいと思います。


Broiler Space特別展

今成家写真:写真との出会い 幕末から明治、新潟にて

同時上映「地域映像アーカイブ」より 

平賀洗一『ながれ』(1936)、『海女へぐらじま』(1937)、『光の魚』(1938)

2010年10月12日(火)〜 10月23日(土) Open: Tuesday ~ Saturday 13:00-1900

資料提供:今成尚志 協力:新潟大学人文学部「地域映像アーカイブ」 協賛:株式会社ピクトリコ

関連イベント

「新潟地域映像アーカイブ」特別上映会+トークショー

原田健一新潟大学人文学部 教授)×金村修(写真家)

10月23日(土)17:00 ~ 19:00 ブロイラースペース2F 入場無料

「地域映像アーカイブ」で発見された映像をセレクションして上映します。

東京シネマ商会:「加茂三社祭典」(1919)、平賀洗一:『六日町 大雪の記録』(1936)

栗林羊一:「海水浴」(1931)、「守れ満州」(1932)、行形亭:「住吉祭・空母入港・園遊会・他」(1932)など

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