Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

[メモ]佐伯剛さんのツイッターより

◇ 佐伯剛 Tsuyoshi Saeki (kazesaeki) on Twitter

少し前、韓国の新しい写真雑誌の編集長とホンマタカシの対談があって見に行った。掲載料は無し、しかも新作を依頼しているのに材料代も出さない、という条件。そういう話が世界中の10ほどの雑誌から来ている、でもまあ作品を発表できるので僕は仕事を引き受けますとホンマ氏は得意そうに話していた。
6:46 PM Oct 28th webから

ホンマ氏の写真を表紙に使った韓国の雑誌も、日本と韓国の若手写真家10人ほど、それぞれ10点ずつくらいをダラダラと並べているだけという安易な作り。これが日本と韓国の最近の写真の傾向だと、対談ではゴタクを並べていた。こういう雑誌を見た他国の同種の雑誌が同一人物に依頼してくるのだろう。
6:52 PM Oct 28th webから

世界中の安易な作りをする雑誌社が他国の安易な雑誌で情報収集し、掲載料無しという条件でメールで安易に依頼し、安請け合いしてくれる写真家がメールでデーターを送れば雑誌の体裁は整う。そういうものが「新しい写真家」みたいな形で流布し、写真家が、それをプロフィールに書き込む虚の価値世界。
7:00 PM Oct 28th webから

先日亡くなったアサヒカメラの編集長は、長年同じメンバーの木村伊兵衛賞の審査員を変えたいと奮闘していたらしい。しかし、それに一番抵抗していたのは、カメラメーカーらしい。この10年の選考結果が、写真で自己表現をしようという若者を多く生み(特に女性)、カメラの販売に貢献したようだ。
7:06 PM Oct 28th webから

読者モデルの雑誌がよく売れるように、「自分でもできるかもしれない」と幻想を抱かせることが、消費社会におけるマーケティング戦略の重要なポイント。ハードルが高いものは自分とは関係ない世界、と線を引いて、関心は自分の周辺にだけしぼる。背伸びせず、自然体に楽に生きるのが好まれる時代。
7:12 PM Oct 28th webから

付録付きの女性雑誌が売れている。出版不況の中で元気な出版社と持ち上げられているが、出版業というより広告業。どんな形であれ情報が人手に渡る方法を作れば広告収入が得られる。かつてはゴシップその他、編集内容で人々の関心を引きつける方法を模索したが、今は、編集内容は関係なくなった。
11:24 PM Oct 29th webから

人手に渡るためにはR25のように無料のPR雑誌でいいのだが、無料だと書店にお金が入らないので書店ルートが使えず、配布コストが必要になる。付録付き雑誌の付録は読者の為というより、書店に販売意欲を持たせるための仕掛け。実際に、店頭に付録付きの広告雑誌をズラリと並べる書店が多い。
11:30 PM Oct 29th webから

日本の写真界は世界でも特殊な状況に置かれている。これだけカメラメーカーがある国は他にないからだ。カメラを売りたいメーカー側の都合に合致した写真表現が、メーカーや、メーカーをスポンサーにするメディアに重宝されるのはしかたがないが、そういうものの露出が増えることで、価値基準が歪む。
10:55 AM Oct 30th webから

メーカー及び、その影響を受けるメディアが少ない国では、写真表現の良し悪しの基準は、それを見る人の感じ方にある。日本人も、自分ではそう思っているが、実際には、メーカーのコマーシャルやメーカーに媚びたメディアの影響を受けてしまい、有名で露出が多いものが良いものだと思ってしまう。
Sat Oct 30 2010 11:02:38 (JST) webから

さらに、自ら写真表現を志す人達もメーカーがメディアが導く価値観のなかで露出の多くなった人を模倣する。そもそも、そうした迎合的な表現が後の時代まで残る筈がないが、短期的には、時代の風潮のなかで「私的日記写真」や「心情風景写真」といった、カメラ需要を増やしてくれる作風が蔓延する。
Sat Oct 30 2010 11:08:50 (JST) webから

日本の写真界は、カメラメーカーの影響下に置かれた歪な世界だから、そういう閉塞社会に迎合しない健やかな精神を持った人は、日本を出て活動している。日本の写真の未来は、そういうところを見ていないと、わからない。メーカーのコントロール下にある雑誌等を見ていても、何もわからない。
Sun Oct 31 2010 12:07:10 (JST) webから

http://twitter.com/kazesaeki
さてどうなんでしょう? と思う部分もありますがとりあえず。