Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

Turner Prize 2010 exhibition at Tate Britain: Susan Philipsz

http://www.tate.org.uk/britain/turnerprize/turnerprize2010/artists/philipsz.shtm


◇ Turner Prize winner 2010 - 'A'holic days

今回訪れた観客の中でもほとんどの人がこの作品がターナー賞まちがいなしと見ていたようです。
僕も下の動画でちらっと観ましたが、確かに頭1つ出てる気がします。
他のは「アートの為のアート」と言った感じがしてうんざり。
スーザンの作品において、「なぜ音が美術館に展示される必要があるのか?」と問う人もいるでしょう。
では、今の時代に真剣に音と対峙することがあるでしょうか?
もちろんコンサート等で音と向きあう瞬間はあると思います。しかしそこではパフォーマンスという視覚要素もとても重要だということは間違いない事実でしょう。
こうして純粋に音とだけ向きあう瞬間って意外にないのかも。
だとすると、美術館は、何かに向き合うという点でぴったりな場所だと思います。
またイヤホンで聞かないというのは、他の雑音も入ってくるということです。
人の話し声、空気の音、川が流れる音、鳥の囀る音、電車が通る音。
様々な日常の音もいつもより敏感に聞こえてくるのではないでしょうか。
このような繊細で丁寧な作品に賞が与えられたのは個人的にとても嬉しい。
やはりターナー賞は世界が誇る素晴らしい賞です。
特に2001年のマーティン・クリードから、90年代の刺激の強い作品が席巻する賞からシフトチェンジしてきたように思います。
あのまま刺激だけを追い求めていたら、多分ここまでの賞になってなかったでしょう。
途中迷走期に入りそうな時期もありましたが、昨年のリチャード・ライトといい、今回のスーザン・フィリップスといい、賞の質がより成熟している気がします。
来年のターナー賞も実に楽しみです。

http://aholicdays.blog118.fc2.com/blog-entry-503.html


◇ スーザン・フィリップス / Susan Philipsz - MIZUMA ART GALLERY
http://mizuma-art.co.jp/artist/0160/