Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

2010年12月11日(土) - 麺通団公式ウェブサイト/東京麺通団

瀬戸国際芸術祭の決算
県民に投資額と内訳の報告を


 例え話から入るが、100万円で買った壺を「なんでも鑑定団」に持って行った人が「予想金額30万円」と出したら、鑑定の結果、90万円と出ました。「おおー、3倍にもなった!」と大喜び…していいのかどうか、という話である。つまり、実質的には100万円で買ったものが90万円になったのだから10万円のロスが出たことになるのに、「3倍になった」と喜んでいいのか? という…。私が瀬戸内国際芸術祭のこの3カ月の報道を見ていて違和感をずっと持っていたことの一つは、それである。
 瀬戸内国際芸術祭に関する「数字の報道」を振り返ると、「早くも10万人突破」「会期半ばで目標の30万人突破」「50万人突破」…そして「最終94万人。当初予測の3倍を達成!」という、来場者数の報道がほとんどであった(ちなみに、いずれも8会場の合計数字であるから実数ではない)。そして、その報道の基準とされていた数字はすべて、当初の来場者数予想の「30万人」である。しかし、その「30万人」という数字は、先の例で言えば「壺を持って行った人の予想金額」であって、壺を買った値段、つまり「投資」に対するリターンとして妥当な数字(来場者数)であるかどうかの基準ではない。そこで、瀬戸内国際芸術祭が数字的に成功したのかどうかを判断するためには、「いくらお金を使ったのか」という数字が絶対に必要となるのである。

http://www.mentsu-dan.com/diary/bn2010_12.html
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