1993年に「A BATHING APE(通称『BAPE』)」を展開して以来、“裏原”系のカリスマと称されたデザイナー・NIGO(40)。そして、2008年、その彼の妻となった牧瀬里穂(39)。年商70億円といわれる彼との結婚は“玉の輿”のはずだった。しかし結婚から2年、その夫が窮地を迎えた。
「BAPEを手掛けるNIGOの会社『ノーウェア』が今年1月31日に、香港のアパレル小売会社『I.Tリミテッド(以下、I.T)』に買収されてしまったんです。取得額はおよそ2億3000万円でした」(ファッション関係者)
I.T の発表によると、ノーウェアは2009年、2010年と2年連続で2億円前後の赤字を出し、2010年度末時点の負債総額は10億3000万円にも上ったという。それだけでなく、同社は金融機関への25億7300万円の借入金と17億円あまりの賃料などを支払わなければならない状況にあった。
「I.Tは以前からBAPEの商品を香港や中国で販売するなどノーウェアとのつきあいがありました。NIGOさんは昨年6月にI.T側と相談して、43億1100万円の負債を担保する形でノーウェアを買ってもらったんです」(前出・ファッション関係者)
2 月7日に発行されたファッション週刊紙『WWD JAPAN』では、NIGO自ら今回の売却理由を告白。所有していたノーウェアの商標も株式64%もすっかり売り払ってしまったという。同紙の中で「クリエイションに専念したかった」と語っているNIGO。売却後もノーウェアにとどまり、デザイン・制作の指揮を任されているというが、契約期間はわずか2年間という。
http://news.livedoor.com/article/detail/5387277/
“女性セブン2011年3月17日号”より。
◇ 高級志向中国人 日本の鮪、ワイン、BAPE、森林水源を標的 - NEWSポストセブン
「ブランド志向の強い中国ですが、一方でオリジナルブランドを持つ企業が育っていない現実があります。そのため、中国で人気のある他国のブランドを買収して、自国で拡大、展開したいという思いがあったのではないでしょうか。特に、香港はイギリス領であったからか本土よりもファッションに敏感ですからね」
すでにBAPEは香港や台湾、北京や上海にも出店している。香港在住のジャーナリストは、香港にあるBAPEの店舗についてこう話す。
「香港の店舗はかつての日本のヒルズ族のようなニューリッチたちで大盛況ですよ」
そんな中国マネーの猛威はファッションブランドの買収だけでなく、日本のあらゆるところに及んでいる。今年1月5日に行われた東京・築地市場の初競りで、史上最高額となる3249万円の値がついたクロマグロを銀座の高級寿司店「久兵衛」と共に購入したのは香港の寿司チェーン店「板前寿司」だった。中国に詳しい評論家・宮崎正弘さんはこう説明した。
「中国人にとってマグロは“世界でいちばん高い魚”という意識があります。お寿司を食べることは中国人にとってひとつのステータスなんです。外から見えるガラス張りの寿司店が多いのもそのためです。だからこそ、高級マグロである必要があるのでしょう」