「テレビゲーム」はどこから来て、どこへ行くのか?
この新書では、『ポン』から『ラブプラス』まで、さまざまなゲームを紹介しながら、「どのようにして、その時代に、そのゲームが生まれることになったのか?」が考察されています。
僕は1970年代のはじめに生まれ、小学校低学年で「ゲームウォッチ」を体験し、高学年で、「マイコンとテレビゲームの洗礼」を受けました。
それから、もうすぐ40歳になるいままで、年齢や環境による濃淡はあるにせよ、テレビゲームの成長・成熟とともに生きてきたと自負しています。
カセットテープを読んでいたマイコン時代から、フロッピーディスク、カートリッジ、CD−ROM……
この新書を読みながら、「ああ、これはあくまでも『ゲーム史の概論』にすぎないよなあ、と考えていました。
「新書」という媒体の性格上しょうがないことだし、これ以上、マイコンゲーム寄りになってしまうと、みんな「そんなマニアックなゲームは知らないよ」って言うだろうとは思うのですが、読んでいると「歴史」を、著者も、もっともっと語りたいだろうな、という気がするんですよ。
でも、新書という媒体、商業出版という制約のなかでは、このくらいが「限界」だというのも伝わってきます。
『夢幻の心臓』の名前を挙げても、たぶん、いまのゲーマーの大部分は知らないだろうから。
著者は1967年生まれだそうなので、僕より少しだけ年上、まさに「テレビゲームの歴史とともに生きてきた世代」です。
だからこそ、いま、「テレビゲーム史」をまとめておきたい、という気持ちは、すごくよくわかります。