1969年2月、ニューヨーク州イサカに位置するコーネル大学にて、「アース・アート」展と題された展覧会が開かれた。ロバート・スミッソンはこの展覧会に際してある計画を実行する。「カユーガ岩塩坑プロジェクト」。それは二つの作業からなっていた。まずコーネル大学の北部、カユーガ湖畔に望むカユーガ岩塩会社の坑道において、その場の鉱物と鏡による構成作品を制作する。続いてコーネル大学のアンドリュー・ディクソン・ホワイト美術館では、坑道から採取してきた岩塩を使って当地での制作が「再現」された【註2】。このプロジェクトによって、スミッソンがこれまで行ってきた制作活動の理論的方途はより深化されることとなったのである。それはスミッソンが語る「サイト(site)」と「ノン‐サイト(non-site)」を繋ぐ、鏡による弁証法である。
http://artope.seesaa.net/article/247712693.html
※過去のロバート・スミッソン関連
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