Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ピクチュアレスク とは - コトバンク

ピクチュアレスク【picturesque】

主として18世紀イギリスで用いられた美学上の概念。イタリア語のピットレスコpittoresco(〈画家に関する〉の意)より借用されたフランス語のピットレスクpittoresqueの派生語(英語)で,今日一般的には,絵のように美しい,きれいなという意味である。しかし18世紀後半には,この語が庭園芸術や自然の景観,建築,風景画に関してもつ意味の定義をめぐって,錯綜した論議が繰り返された。まず,ギルピンWilliam Gilpin(1724‐1804)は,彼自身の手になるアクアティント挿絵入りの多くの著作や〈ピクチュアレスク・ツアー〉と呼ばれる〈ピクチュアレスクなるもの〉を求めての旅行の実践によって,ピクチュアレスクを一つの美的範疇として人々に認識させた。

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◇ ピラネージと古代ローマの壮麗 - イタリア語・美術史 GranPiccolo

題名:ピラネージと古代ローマの壮麗
著者:ピーター・マレー
訳者:長尾重武
出版:中央公論美術
初版:1990

「ジョヴァン二・バッティスタ・ピラネージは、ほぼ58年という短い生涯に1000点以上ものエッチングを制作した。」(同書3頁冒頭)

ピラネージは1720年生まれのイタリア人の芸術家だが、日本ではどの位関心があるのか分からない。が舞台美術の進んだ西洋では以前からとても重要人物として知られていたのではないか、と思う。

革新的な版画家であり現代に十分通用する感覚を備えているのではないか?というのは全く個人的なことだが、私が美大の1年生だった時、舞台美術の背景をテーマとしたデザインをするのに下敷きにしたのが、彼の『想像の牢獄』という作品集の中の一点だった。このときはあっという間に仕上げたにも関わらず良い点を貰って、教授に「ずるい」呼ばわりされたのを今でも覚えている。

ピラネージの創作する古代遺跡の廃墟を含んだローマの版画は、西洋世界中で大流行し、インテリを中心にローマへの旅のあこがれをかき立てた。実物を見てがっかりする人が多かったのは現在と同様のような所もある。

この本は頁的にも内容的にも一般向けで読みやすく、何よりも図版を多く含んでいるので、版画やピットレスク芸術に関心のある人には是非読んで欲しい。グランツアー時代のバロックを理解する上でも重要だと思います。

http://tutto-italia.seesaa.net/article/46370908.html