Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

修辞技法 - Wikipedia

比喩(譬喩、ひゆ)とは、字・語句・文・文章・出来事・作品全体などの物事を、それと共通項のある別の物事に置き換えて表現する手法である。読み手に対し、例えられる物事を生き生きと実感させる効果を持つ。比喩を用いた修辞法を比喩法といい、佐藤信夫他著の『レトリック事典』では直喩、隠喩、換喩、提喩を指している。


直喩法
詳細は「直喩」を参照
直喩(明喩、シミリー)とは「(まるで・あたかも)〜のようだ(ごとし、みたいだ)」のように、比喩であることを読者に対し明示している比喩である。直喩を用いた修辞法を直喩法という。『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…』で知られる『平家物語』の序段は、この直喩の典型例である。日本では現代でも頻繁に用いられてはいるが、近現代の西洋ではあまり洗練された技法とはみなされておらず(ある意味でヤボな技法だと見なされており)、文筆家・作家・詩人・知識人などの文章では、直喩よりも(後述の)隠喩のほうが頻繁に用いられる。
用例
赤ん坊の肌はまるで綿飴のようにふわふわだ。
鳥みたいに羽が生えたら自由に空を飛べるのに。
息子は二宮金次郎のごとく、勉学に励んだ。
あいつのいない夏休みなんて真夏のスキー場みたいなものだ。


隠喩法
詳細は「メタファー」を参照
隠喩(暗喩、メタファー)に分けられるものは、比喩であることが明示されていない比喩である。隠喩を用いた修辞法を隠喩法という。
用例
夜の帷が静かに幕を下ろす。
この思い出を忘れまいと、心の宝石箱に仕舞い込んだ。
満天の星空が二人の間に降り注ぐ。
などで、いずれも「まるで」「ごとし」「ようだ」などといった比喩を明示するための語が用いられていない。直喩に比べて、より洗練された比喩だとされる。
「すし詰め状態」「団子レース」「マシンガントーク」などのように定型句となった表現も見られる。


換喩法
詳細は「換喩」を参照
換喩(かんゆ、メトニミー)とは表現する事柄をそれと関係の深い付属物などで代用して表現する比喩である。換喩を用いた修辞法を換喩法という。また「永田町」と言って国会を、「葵の御紋」と言って徳川家を指すのも換喩の一種とされ、『象徴喩』と訳されている。
用例
「バッハが大好きだ。」
「バッハ」がバッハの作品を指している。
そのワインを開けてくれ。
実際開けるのはワインではなく、ワインが入っているボトルの栓である。
象徴喩の用例。
ボルドーの赤、ブルゴーニュの白。
ここでの「赤」と「白」はワインの種類を指している。
ペンは剣より強し。
ここでのペンは弁舌や学問を指し、剣は武力、暴力、戦争などを指している。


提喩法
詳細は「提喩」を参照
提喩(ていゆ、シネクドキ《Synekdoce》)とは上位概念で下位概念を表したり、逆に下位概念で上位概念に置き換えたりする比喩をいう。換喩との違いは、包含する関係にあるか否かである。提喩を用いた修辞法を提喩法という。
用例
全く、情けない男だ。
ある人物が相手にこう告げた時、情けないのはその相手(下位概念)だけであって、男全般(上位概念)を指しているわけではない。
豚肉も悪くないけど、どちらかといえば鶏の方が好きだな。
まず鳥という上位概念で鶏という下位概念を指している。さらに、鶏という上位概念からさらに下位概念の鶏肉、あるいは鶏肉料理を指している。このように提喩は上位、下位の概念が階層化することもある。
紙もすっかり値上がりしたので、本当に困る。
会話の状況によって、この紙がトイレットペーパーを指してるのか、それとも何らかの用箋を指しているのかわからないが、紙という上位概念で、下位概念を想起させるものとなっている。


諷喩法
詳細は「たとえ話」を参照
諷喩(ふうゆ、英: Parable)とは、寓意に使われるようなたとえのみを提示することで,本当の意味を間接的に推察させる比喩を言う[1][2]。寓言法。寓喩法。
用例
「燕雀(えんじゃく)安(いずくん)ぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや」
小人物に大人物の心はわからない、ということを鳥の話のみをして推察させている。燕雀は小物、鴻鵠は大物という共通認識の上に成立する諷喩。
猿も木から落ちる
木登りを得意とする猿でも木から落ちることのみを示し、得意な人でも失敗することがあるという意味を推察させる諷喩。


比喩表現の複合
これらの比喩が複合することもある。たとえば「右のエース」という表現は、エースで一番手を指す暗喩、右で右手で投げる投手を表す換喩を兼ねている。更に、「右のエース」という言葉は、野球のみでしか通用しないので、野球という上位概念の中の下位概念に値することから、この表現そのものが提喩となっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E8%BE%9E%E6%8A%80%E6%B3%95


◇ 転義法 - Wikipedia

  • 換喩(メトニミー、転喩) - 近接または対応による転義法。例:「アメリカ合衆国大統領の決定」→「ホワイトハウスの決定」
  • メタファー(隠喩、暗喩) - 類似した特徴を持った異種のものの並置による対象または概念の説明。例:「勇気ある人」→「ライオンのハートを持つ人」
  • アレゴリー(寓意) - 全文、さらには話の全てを通して一貫して使われるメタファー。例:「国家という船はロビイストの嵐よりさらにひどい嵐を抜けて航海した」[1]
  • 提喩(シネクドキ) - 換喩およびメタファーと関連したもので、関連する概念を持った何かを言及することによる言葉遊びを生みだす。例:「雇用労働者」の提喩表現「hired hands」(「借りられた手」)は部分で全体を表すケース。一方、全体で全体を表す例は「警官」→「法」。特殊なもので一般的なものを表す例は「食べ物」→「パン」。一般的なもので特殊なものを表すのは「ライオン」→「猫」。そのものを構成するもので表すのは「ビル」→「煉瓦とモルタル」。
  • イロニー(アイロニー、皮肉、反語法) - 標準的な意味の正反対の意味付けによる転義法を生む。例:「貧乏」→「いい時」
  • 同語異義復言法(異義復用法) - 単一の言葉を場合場合で異なる意味で繰り返す転義法。ある種の駄洒落で、他の駄洒落同様に、スローガンの中でよく見かける。
  • 誇張法
  • 撞着語法
  • 緩叙法
  • 迂言法
  • アンチテーゼ(対照法、対句法)

*「メタファー」の項目参照 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%A2%E7%BE%A9%E6%B3%95


◇ 被喩辞 - 楠見 孝 (Prof. Takashi KUSUMI) のホームページ
http://kyoumu.educ.kyoto-u.ac.jp/cogpsy/personal/Kusumi/keyword/jisho4.htm


◇ 日本語の美しさ - 日本語教師養成の千駄ヶ谷日本語教育研究所
http://www.jp-sji.org/jp/contents/beauty/list_12.php