Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

リプライ(私のコメントを抜粋)

どうも、こんにちは。
展覧会の感想ありがとうございます。



ありがとうございます。
明るさですが、基本的に、その場にいけば、そう見えるぐらいにしています。
ただし、ワンダーサイト渋谷の照明が明るすぎたので、
今回のように、意図していた状態よりも、少し明るくなってしまいまいした。



展覧会期間中に制作したものを持ち寄って展示していくというのは、
先方からの要請でした。

基本的に企画運営側が考えている以上のことを、やってやろうと思っていたので、*1
毎日写真を増やしていくという展示プランを提案しました。
準備期間が短かったので、大きい写真9点のうち6点が水道橋で展示したものと
同じだったということも関係してます。
また、写真というメディウムの性質、展覧会場が職場に近いという
2点を考慮したうえで、今回の展示プランを考えました。



撮影とプリントの作業を鑑賞者に見せるわけではないし、断片的なイメージが
ある一つのイメージとして図像的に統合されるという性質のものではないので、
とくに制作過程を見せるような展示だとは考えていません。



私の写真の観賞・理解には、いくつもの段階があるように思うのですが、
その1段階目、2段階目あたりについては、
それほど、わかりにくい写真だとは自分では思っていません。
  さんが「わからない」と感じるのは、
須田塾ないしは、これまでに写真を学んできた過程において
属してきたコミュニティのなかで
「こうあるべきだ」という特定の価値観を
知らず知らずのうちにインストール*2されてしまっていることが、
主たる理由ではないでしょうか?

とりあえず、以前ある雑誌に寄稿した文章を
読んでいただければと思います。

写真に何ができるのか。そう問われたなら、私はこう答えるでしょう。言葉では認識できないものを、あるいは、言葉があることでかえって認識されないものを、言葉とは違ったかたちで浮かび上がらせることができる、と。たとえば都市の夜。あらかじめ準備された凡庸な言葉とイメージによって覆い隠されている現実*3を、カメラという人工網膜は克明に露出します。指標から指標をたどる制度化された視覚からの逸脱。そこに写真の可能性をみます。

“ダークサイトな弱さに「操作」しかねない”
とは、どういうことでしょうか?

とりあえず、この↓あたりもご覧になってください。

http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%A5%C7%A1%BC%A5%E2%A5%F3


※大筋考えにかわりありませんが、
 基本的に内山英明氏の『東 京 デ ー モ ン』なる写真集が発売された
 2005年当時のレベルの私が思ったことなので、
 細かい部分では若干表現に修正を加えたい部分もあります。



議論が「わからない」という部分に集中してしまっているので、
少しでもわかっていただくために、
セレクト、額装等の見せ方、展示空間の使い方、ライティングなど
展示の内容について、何かご質問があれば、何なりとおっしゃってください。
そうした部分から解きほぐしていくことが、
逆に  さんが気になっていることにアクセスするための近道だと思います。



いえいえ瑣末なことが重要な場合もあるでしょう。

できれば、実際に会場でお会いしてお話しできれば、良かったのですが。。。
たぶん簡単に解消する疑問も多いはずです。
メールでのやりとりは何とももどかしいかぎりですが、
よろしくお願いします。


国内での個展はそのうち。
その前に、どこかのギャラリーで私の作品を取り扱っていただくこと、
もっともっと制作に力を入れることのほうが、現状では優先です。


◇ Installation view
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070613#p3
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070608#p2

*1:ワンダーシード入選→今回のグループ展という一連の流れですが、当初は「あえてするコミットメント」(宮台真司)でした。外側から眺めて、風評のみで好き勝手言っていても何も変わりません。http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070107#p5 http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070120#p3 小崎哲哉さんのおっしゃるように、このリソースを活かさない手はないと思います。今村館長もとても柔軟な方で、今では、「写真の審査をするなら誰がいい?」とか、誰々のことを「どう思う?」とか、私に気さくに意見を求めてくれたりします。また、私の知る限り、企画も運営も楽な仕事ではなく、細々とした業務や打ち合わせ、来客対応、アーティストとのさまざまな調整、搬入・搬出業務などで忙しそうです。

*2:あるいは、インプリンティング。たとえば→http://d.hatena.ne.jp/n-291/20070619#p4

*3:もちろん、そのものではなく、あくまでも再現(現実の似姿)でしかありません。