Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

何故か某所からの訪問者がまた増えている「お手軽アート」関連 再録

■僕は、逆アオリ写真(ミニチュア写真)否定派というよりも、むしろ、逆アオリ写真比定派ですね。類似した表現を比べてみて、それがどういうものなのかを見定めようとしています。■バルビエリは確かにつかみ所がないですね。でも、シリーズのタイトルからすると、絵画以来の視覚芸術が作り出す空間の仮象性を問題にしているのではないでしょうか。実際の展示を見てみないことには何とも言えませんが、別にミニチュアだから面白いとかどうとかというのではなく、平面表現とその仮象の空間に対する批評性として、露悪的にああいったスタイルで撮影しているのではないかと思っています。近作では絵画を撮ってるわけですし。また、プリントが長辺2メートル弱のビッグピクチャーだということも、そうしたテーマに関係しているのかもしれません。■「お手軽アート」の件ですが、坂口さんのおっしゃるように、マニピュレーションの度合い・意味合い・表出の仕方で、その表現が陳腐なものになってしまう危険性はありますね。気をつけたいところです。作者の関与をゼロにすることは不可能ですから。また、鑑賞者次第というのも頷けます。鑑賞者のレベルや作品への没入具合に、作品の評価は左右されやすいですね。それに、ラベリングの問題もあると思います(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20060109#p4)。■「夜撮っただけでダメ」という意見はけっこうありがちかもしれません。それだけ「夜」が特別な状態だと思われているからでしょうか。しかし今となっては、さして意に介することもない、実にシンプルな批判だと思います。そういえば、バルビエリも本城直季さんも過去に「夜」を撮っているというのが興味深いです。特別な状態が好みなのかもしれませんね。

http://d.hatena.ne.jp/n-291/comment?date=20060422#c