Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

Haruki Murakami@Jerusalem / Kenzaburo Oe@Beijing

村上春樹 大江健三郎  イスラエル 中国 - 嗚呼日記

今回の事態への、村上への関心はネット上で散見されるが、

大江への関心はあまり見かけてない。

大江も、チベットが世界的にマスコミで争点になってた時期に受賞であれば、関心を呼んだかもしれない。

報じられないだけで、現在でも少数民族への弾圧は継続中であろうが。

http://d.hatena.ne.jp/ljkbukemo/20090129/1233226467


>>>立ち位置が問われる村上春樹氏(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090127#p9)関連・その後
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090131#p7
先日の話題。

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YouTube - 村上春樹 「エルサレム賞」受賞スピーチ

http://www.youtube.com/watch?v=4c7BmEJ9ais
授賞式の様子。


YouTube - Japanese author Murakami wins Jerusalem prize

http://www.youtube.com/watch?v=xwhiyrspJ74


◇ Murakami, in trademark obscurity, explains why he accepted Jerusalem award - Jerusalem Post
http://www.jpost.com/servlet/Satellite?cid=1233304788868&pagename=JPost%2FJPArticle%2FShowFull


◇ Haruki Murakami wins Jerusalem Prize, calls for end to conflict+
http://www.breitbart.com/article.php?id=D96CCF7G0&show_article=1


◇ Murakami defies protests to accept Jerusalem prize - guardian.co.uk
http://www.guardian.co.uk/books/2009/feb/16/haruki-murakami-jerusalem-prize


村上春樹さんの講演要旨 - 中国新聞・詳報
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009021601000180_Detail.html


村上春樹さんの講演要旨 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090216/acd0902161022003-n1.htm


◇ 「わたしは常に卵の側に立つ」 - 琥珀色の戯言

ここでの「高い壁」は、もちろんイスラエル(やその武器)であり、「卵」は「圧倒的な武力に翻弄される民間人」の例えでもあるのですが、村上さんがこういう抽象的な「壁」とか「卵」という言葉を使ったのは、それはエルサレムだけの問題ではない、ということを言いたかったからだと思います(朝日新聞の記事は、そういう意味では、イスラエルの問題に限定して読みすぎているようにも感じられます)。

http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20090216#p1


村上春樹エルサレム賞授賞式でイスラエルを批判 - モジモジ君の日記。みたいな。

BrittyBritty 2009/02/17 02:21
>zames maki
壁を既得権をもち・テロを容認するアラブ諸国パレスチナのテロリスト、卵をテロの犠牲者となるイスラエルの個人 とも無理やり読めるだろうし、会場にいた人はそう聞いただろう、あるいは聞いたふりをしただろう、ということかと思っています。実際に、イスラエルの普通の人たちにはシリアなどの核保有疑惑のある国とインティファーダによる攻撃を圧倒的な敵意として感じ、おびえている人もいないわけではないです。


その意味では講演は「曖昧」だという指摘は正鵠を得ていると思います。そのような誤読を許す微温的なものを提示した、ということですね。それが意図したことか、ほかの事を優先させた結果かは、現時点では判断を控えます。


mojimojimojimoji 2009/02/17 11:11
>zames_makiさん
僕は、事態の変化については、きわめて悲観的です。ただし、意味のないことではないとは思っています。そのあたりは、次の記事に書きました。
http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090217/p1


村上は、サイードのような解釈の余地の極めて少ない明確なメッセージを語ることは、避けました。その意味で、知識人として果たすべきことを「果たした」と言っていいかどうかは微妙です。ただし、それを「果たす」ことは、世界的な評価を得ている文豪においてさえ難しいことだとは思います。だから十分とは言わないにせよ、だから物足りないと批判するのでもないにせよ、やはり、サイードとは並べられないと考えるにせよ、あのスピーチを、その意義のままに評価したい、とは思います。後は、あのスピーチを世界がどう受け取るか、ということでしょう。


>Brittyさん
僕は、この講演に関する村上氏の意図は、もう関係ない、と思っています。後は、僕らがそれをどう使うかでしかありませんから、村上氏の本意とは関係なく、パレスチナ問題の事実に即して使えばよく、その事実に即すならば、シオニスト的解釈はありえない、ということを言っていけばいいと思います。どのような解釈であれそれに不満なら、村上氏はそれを表明することはいつでも可能なのですから。

http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20090216/p1


◇ copyright partisan - tumblelog

> イスラエル人の前でこのようなスピーチを行うことは、受賞を拒否するよりはるかに困難な決断だ。


この点がよく分かりませんでした。イスラエル言論の自由がしっかりと保証されているところで、米国あたりよりも幅の広い多様な政治主張があります。そのような環境でこんなオブラートを何重にも包んだような表現を使うほど、「びくつく」必要があるのかどうか疑問です。村上氏はこれまでも中東事情に強いわけでもなく、政治的発言をしてきたわけでもありませんでした。こんなふうにびくついた発言が現地の「自由な」言論社会の中で影響力を及ぼせるとは考えにくいです。

http://tsuda.tumblr.com/post/78927477
津田大介さんのtumblrより。


村上春樹エルサレム文学賞受賞スピーチ抄訳 - 一斗缶
http://maturiyaitto.blog90.fc2.com/blog-entry-139.html


村上春樹さんのイスラエル講演をハルキ風に和訳してみた - Kittens flewby me
http://ahodory.blog124.fc2.com/blog-entry-201.html


村上春樹のスピーチを訳してみた(要約時点)進化版 - しあわせのかたち

(1)(あくまで記事執筆者が正確に村上スピーチを書き記しているという前提ではあるが)ここには「クレタ人の嘘」が仕込まれている。「(嘘を紡ぐ者としての)小説家としてエルサレムに来ました」と語る者が、「今日は嘘をつかない日です」と語ること。そしてのその前段で、「小説家の嘘は政治家や外交官の嘘とは違う」と語っていた上でのこと、という文脈


(2)「卵」には「殻」があり、それは「壁」としてのメタファーも有すること。村上が語った「(私たちが形作られるのではなく、私たちが作った)システム=壁」という単語は、そうした二重三重の意味を持っている(卵の中身は通常、殻の形によって姿を変える。いっぽうでその卵を【暖め続ければ】、ひな鳥はその殻を破り、世に出てくる)

http://d.hatena.ne.jp/sho_ta/20090216/1234786976


村上春樹エリア・スレイマン - 想像力はベッドルームと路上から

村上春樹エルサレム賞受賞スピーチにエリア・スレイマン『D.I.』の主題を連想したのでメモがてら。

エリア・スレイマンはナザレ出身のアラブ系イスラエル人(この表現はあまり的確ではないかもしれない)。『D.I.』は彼の長編二作目で、パレスチナ映画(正確にはパレスチナとフランスの合作)として初めてカンヌ映画祭に正式出展され、国際映画批評家賞の最優秀作品賞とコンペ部門の審査員賞をダブル受賞したコメディ映画。

最後に、この『D.I.』は世界中で絶賛され、カンヌをはじめ数々の映画賞を受賞したにも関わらず、ノミネート確実と目されていたアカデミー賞外国語映画賞からは「パレスチナという国家は存在しない」という作品とは一切関係ない“政治的な理由”で候補から除外されたことを付け加えておく。

http://d.hatena.ne.jp/inumash/20090216/p1

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◇ Nobel laureate Oe wins award in China - The Black Ship: Japan News and Forum
http://theblackship.com/news/categories/national/2491-Nobel-laureate-wins-award-China.html


◇ Oe Kenzaburo - Boomerang Blog
http://www.boomerangbooks.com.au/blog/tag/oe-kenzaburo


大江健三郎作品に最優秀賞 中国の外国小説 - 47NEWS(よんななニュース)

【北京16日共同】中国の大手出版社、人民文学出版社などが選ぶ「21世紀年度最優秀外国小説」の発表・授賞式が16日、北京市内で開かれ、ノーベル文学賞受賞作家の大江健三郎氏の「臈たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」が選ばれた。

http://www.47news.jp/CN/200901/CN2009011601000546.html


大江健三郎氏北京大講演、「魯迅について語れて幸福」 - 中国国際放送局

 大江氏は、授賞式参加のほか、北京にある魯迅博物館の訪問と北京大学での講演を今回訪問の主な目的としており、自分の執筆活動に影響を与えた人として魯迅を位置づけ、「文学について考える時、常に魯迅があった」と語り、魯迅について話すことは「幸福」だと講演に臨む前に思いを記しました。

 大江氏は、国民小学校在学中、魯迅の愛読者である母親を通して、魯迅の小説を読むようになり、22歳の時に発表したデビュー作「奇妙な仕事」も、魯迅の小説「白光」の影響を受けたものだったと話しました。また、デビュー作を発表し、小説家として歩みだそうとした時、久しぶりにふるさとに戻り母親と会ったが、その母親からは、「希望のかけらも見えない小説だ。魯迅先生の『希望』を読みなさい」と叱咤され、小説家としての自信が「粉々に砕かれた。母親から魯迅の作品集『野草』全編をもらい、その日の夜行列車で東京に戻り、これから自分も、母親のような遠方の読者が大切な友達から届く手紙をのような読んでくれる小説を書こうと考えた」という50年前の思い出も語っていました。

http://japanese.cri.cn/1041/2009/01/19/1s134095.htm


大江健三郎の笑みを見て思う。 - ジュルジュサンドのブログ-CURURU

この人は、日本国天皇や政府からの賞は受賞しない事で有名だ。 でもスウェーデン国王や、独裁国家である中国からの賞は、下記のように満面に笑みを浮かべて受賞し、その際お決まりの日本批判を一くさり行うのです。 このような心根(思想と呼びよりこちらの方が妥当かと思う)は、普通の日本人には理解し難いものです。 この“理解し難い”部分に対して胡散臭ささや嫌悪感を持つのが普通ですが、中に奇特な方も多く、このような心根に対して、無定見に尊敬したり、褒め称えたりする。

http://myhome.cururu.jp/hououjihidemasa/blog/article/21002472560


大江健三郎氏、北京大講演で多喜二を語る - Prof. Shima's Life and Opinion

「現在日本では経済危機の下で若者たち(ばかりではないが)の失業がますます問題になっている。貧困問題で苦しむ若者たちが文学に寄せる関心として、「蟹工船」が読まれている。この小説は酷い条件のもとで働く貧しい労働者を描いている。多喜二は1903年にうまれ、33年に国家権力の迫害の下で虐殺さた。魯迅博物館で魯迅の書いた多喜二追悼の文章を読み、非常に感動した。


私が20歳のとき(まだ仏文の大学生だった)書いたデビュー作は、多喜二の小説のように深く鋭く当時の社会状況をうつしだし、そこに強烈な批判を展開したものではなかった。しかしその小説の中での男女対話の中で、幼稚ではあるが自分なりに、時代と社会への観察と批判をしていた。」


大江さんの講演は、バレンポイムが提唱したガザ地区空爆への抗議運動へ参加していることを語り、最後に現在小説を執筆中であることに触れている。こういう講演の中で、大江さんが多喜二と「蟹工船」に言及し、その真価を語ったのは、非常に意義あることだったと感じる。魯迅を介して、大江さんの口から、大江さんの小説世界と多喜二の文学のつながりが明らかにされたのだ。講演でたびたび語られた「困難な状況でも安易に「絶望」すべきでないこと。「絶望」を「希望」へと転じること」、それこそ、魯迅、多喜二、大江さん、そしてサイードやバレンポイムの意志と行動につながるキーワードなのではないだろうか。

http://blog.livedoor.jp/insectshima/archives/51846739.html