Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20061126#p5)+2

■きのうのおはなし
書店でたまたま『PhotoGRAPHICA』(フォトグラフィカ)という雑誌の新しい号を見かけて、そういえば坂口トモユキさんが(いや、鈴木心くんからのほうが先か?)掲載になるって書いてたなと思って、手にとってみたら、おや、これはホンマタカシさんが森山大道さんの「三沢の犬」に擬してドス黒いタッチで撮ってた愛犬のホイス君(STRAY DOG ならぬ SPOILD DOG)じゃないですか、これ、この表紙のワンちゃん、たぶん、と思い、手にとってみて、職業柄、本の束(つか)を確かめつつ、表1・表4にサッと目をやり、紙質をチェックしながらページをめくると、まあキヤノンの広告とか入ってて、自然な流れで(確か前号もそうだったと思う)左ページに目次を探していたところ(右開きなので目次が巻頭なら圧倒的に左ページのほうが多い)、いきなり「それ」が目に入ってきたので、レイアウトも目次っぽいし、一瞬、目次を読むのと同じ流れで目を使ってしまったんですが、ホンマタカシさんの特集のハズなのに、平間至さんのポートレートが載ってるのはヘンだなー、と思い(肩書きが「フォトグラファー」じゃなくて審査委員長だし)、もう一度よく見てみると、やっぱり吸い込まれるように目に入ってくるのは、メタボリックシンドロームが懸念され、ワンパンで軽く床に転がりそうなボディ(どこかの自意識まるだしの「フォトグラファー」のサイトで見たような)、ではなくて、まあ、そんなわけなくって(まぼろしを見ていたのかもしれない)、やっぱり黒シャツ茶メガネの、とても、とても、「お仕事」の力量が素晴らしい男性であって、ってことはなにかい、これはひょっとすると、ホンマタカシさんの撮影で、ホンマタカシさんの愛犬のホイス君と、平間至さんの愛猫の捨て猫ミーちゃんの、夢のコラボレーションが実現するってことかい、え、マジ、夢のコラボが見れるかもー、ホンマタカシさん(写真と犬)と平間至さん(猫)の素敵なコラボが見れるかもー、やったー、ホイス君とミーちゃんの、らぶり〜なツーショットが見れるかもしんまい(リリー・フランキーさんの一時期の女のコ語尾のパクリ)、これがいわゆるダブルネーム商法か!(違)、と、もくもくと妄想は天高く、「フォトグラファー」のHABUさんが手がけるポストカードのような写真のようなポストカードのような写真のような、素敵なお空へと、、、青天井に成層圏まで広がりそうになったので、ここはグッとこらえて、米粒に般若心経を筆写している作務衣姿の平間至さんを想像(頭にタオルを巻いたりなんかしちゃってね)、じゃなかった、Phaidonから出たマーティン・パーの『Boring Postcards』を眉間にシワ寄せひたすら眺める平間至さん、じゃなくって眺めてるのはむしろ自分、を想像するも、何だか胸騒ぎがして(気のせい?)、さらにもう一度よくよく見てみると、その目次のような体裁にも見えなくもない左ページは新風斜、じゃなかった、新風舎という出版奢、じゃなかった、出版社のページで、今月はのっけからタイアップ・コンペ企画なのかなー、大胆だなー、これはきっと新しい新世紀のビジネス・モデルですなー、メモメモ、という気もしたんだけども、流石にそれはないだろうと、さらに、さらにもう一度見るまえに、こらえきれず「きてるね!ビックル!」とビックルをひと飲み((C)「きっこの日記」「きっこのブログ」のきっこさん(自称:ヘアメイクアーティストの女性))してから、読み直してみると、第11回新風捨、、、じゃなかった、新風舎平間至写真賞の募集広告だということが、ようやく理解され、つーか判明し、「いっちょ応募してみようか!オイラも!」と思ったり、思わなかったり、思ったりしなかった(本を手に取ってからここまでトータル7秒)のであって、やっぱ写真なんかじゃなくって、時代はポエムですよポエム、ポエムくらいならすぐ書けそうだし、ポエムで自己表現して「本当の自分に出会う」のがいちばん、「これサイコー!」、ていうか、ポエムと写真でいいじゃん、「ポエム+写真=これ最強!!!」、ネット的にいうと「キター!!!」とか「キタコレ!!!!!」ってやつなんだろうな〜、よ〜し、やるぞ〜、ポエム+写真で応募してみるぞ〜、「いっちょ!オイラも、ていうか、わたくしめも!写真詩人デビュー!」、名前はカタカナに開こうかなぁ、むつかしい漢字並べるとヤンキーっぽいかオタクっぽいだけだし、でもカタカナの名前って軽薄そうだしー、じゃあ名字はやめて下の名前だけにしよっか、でもこれもエヴァンなんちゃらで使われてたからヲタクっぽいかなー、どうしよっかなー、と内容以前のことをウダウダごにょごにょ意気込んだり悩んだりしてみるも、目に突き刺さってきたのは、「 入 賞 作 品 の 出 版 権 は 新 風 舎 に 帰 属 」という一文で(実際は黒い文字だったが緋文字に見えるほどビックリしてガマンできずビックルまた飲んじゃった)、よーく募集要項を読み直して吟味みるとようやく理解できてきて、どうやら「13名+αさらに+β(選外)シバリ!ギチっと権利差し押さえOK?」ということを意味しているようだったので、「なんじゃそりゃ〜!」と思わず飲んだビックル吹き出しそうになった、のを、無理矢理ガマンしたら、胃の内容物をリバースしそうになって、超キモかった。と書かれた紙片が風に吹かれて舞い落ちてきたのを拾って読んでいたのだが長いし何のこっちゃよくわからなかったので意味不明の紙片を街路樹の枝にかるく挟んで風に遊ばせるまましておくと白い紙は新しい風に解き放たれふわりと舞ってどこかへ吹き飛ばされていった、のを、脳髄の奥底で網膜に映し見たような気がした。
樹、脳のおはなし。

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※過去の「新風舎」「文芸社」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%bf%b7%c9%f7%bc%cb%a1%a1%ca%b8%b7%dd%bc%d2


※過去の「ア ー ト ボ ッ ク ス イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル (ARTBOX International)」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%a5%a2%a1%bc%a5%c8%a5%dc%a5%c3%a5%af%a5%b9