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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

「福島、罪深き沈黙」ル・モンド誌3月26日付全訳 | Genpatsu

東京特派員 – 政府からの情報提供が限られる中、災害の具体的な影響を自身では計りかねる一般の日本人の多くは、その規模の大きさを少しずつ実感するにつれ、大きな不安を抱えている。そして、民間テレビ局の放送やブログなどで目にする原子力専門家の証言などを通じて、今回の災害の裏にある存在に少しずつ気付き始めている:「原子力ロビー」と呼ばれる存在である。


経産省の懐深くに入り込み、原子力政策に絶大な影響力を持つ、資金豊富で強力なその団体は、電気事業連合会原子力安全・保安院を始め、東芝や日立など原子力発電所の開発を行う企業体や運営会社などで形成される。


このロビーは、原子力と関係が深い官公庁からの天下りを電力会社に受け入れ、情報隠蔽にかけては芸術的なまでの手腕を発揮してきた。原子力に関するメディアの扱いをより完璧なものにするために、新聞やテレビに莫大な広告費を注ぎ込んでもいる。


この状況は、2009年の政権交代後も変わる事は無かった。民主党の政権維持は連合に頼っており、その連合相手の一つが、原子力発電を重要視するエネルギー産業の団体だからだ。


官僚、監視団体、原発製造に関わるメーカー、そして電力会社からなるこの巨大な連合は、反対意見を押し殺すだけでなく、原子力に対する疑問そのものをもかき消してしまっている。一方で、証拠が全くないというわけではない。2002年には、国内電力会社10社に対して、日本の原子力の明瞭期である 1970年代から事故の隠蔽を行ってきたという疑いが浮上した。最初に疑念を向けられたのは、福島原子力発電所の所有事業者である東京電力だ。


様々な物的証拠に加え、旧東電社員の証言もある。未だに確認は取られていないが、もしそれらの内容が事実であれば、大変恐ろしいことだ。東電を初めとした電力各社は、長期的な安全性の確保よりも短期的な利益を優先し、地震大国であるにも関わらず震災や津波の被害を軽視していたというのだ。

http://genpatsu.wordpress.com/2011/04/11/silence-coupable-fukushima/