東日本大震災で今も仕事を失ったままの被災者は推計で12万人に上り、宮城県石巻市の大規模な仮設住宅では、およそ半数の世帯が失業状態で、そのうち3分の1は1か月の収入が10万円に満たない極めて厳しい生活を強いられていることが、NHKが独自に行った調査などで分かりました。
NHKは、去年10月から11月にかけて、およそ1100世帯が入居できる宮城県石巻市の大規模な仮設住宅「開成団地」で、すべての世帯を対象に聞き取り調査を行い、757世帯から回答を得ました。それによりますと、年金生活者などを除く497世帯のうち、「震災で仕事を失った」などと答えたのは235世帯に上り、47%が失業状態と分かりました。世帯主を年代別にみると、50代が29%と最も多く、次いで60代が23%、40代と30代がそれぞれ13%となっています。また、失業状態にある世帯の34%は、失業給付などを合わせても1か月の収入が10万円に満たない極めて厳しい生活を強いられています。中でも、自営業者は67%が失業状態で、「収入が全くない」とこたえた世帯が21%に上り、厳しい状況が際立っています。さらに、NHKが日本総合研究所に依頼して行った調査では、震災で今も仕事を失ったままの被災者が、被災地で推計12万人に上るという試算もまとまりました。厚生労働省によりますと、岩手、宮城、福島の3県では、今月から来月にかけて、最大でおよそ4000人の失業給付が切れるとみられていて、被災者の生活再建と地域の復興に欠かせない雇用の創出が緊急の課題になっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120107/t10015120021000.html