第１４６回芥川賞と直木賞の選考会が１７日夜、東京で開かれ、芥川賞に、円城塔さんの「道化師の蝶」（どうけしのちょう）と田中慎弥さんの「共喰い」（ともぐい）が選ばれました。
芥川賞の受賞が決まった円城塔さんは、札幌市出身の３９歳。大学を卒業後、コンピューター関連の会社でエンジニアを務めながらＳＦ小説などの執筆を続け、平成１９年に文學界新人賞を受賞してデビューしました。芥川賞は、前回に続いて３度目の候補で受賞となりました。受賞作の「道化師の蝶」は、さまざまな言語を操る謎の作家や「架空の蝶」などが登場します。場所や時間や登場人物が複雑に絡み合いながら物語が進む円城さん独特の前衛的な作品です。
また、田中慎弥さんは、山口県下関市出身の３９歳。地元の工業高校を卒業後、執筆活動を始めて平成１７年にデビューしました。土地とのしがらみや人間の内面を見つめる作品を中心に発表を続け、平成２０年には三島由紀夫賞と川端康成文学賞を受賞して話題を集めました。芥川賞は５度目の候補で受賞となりました。受賞作の「共喰い」は川沿いの町に暮らす１７歳の少年が主人公です。父親を嫌悪する少年が性に目覚める中で、自分の中にも父親と同じ暴力的な衝動があることに葛藤する姿を描いています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120117/t10015340472000.html
◇ 芥川賞 円城塔 記者会見 - YouTube
http://youtu.be/8uCYqWeu5Mg
◇ 芥川賞 田中慎弥 記者会見 - YouTube
http://youtu.be/Gs4MVCa5Ql4
