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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

『安部公房の都市』 (苅部直 著) | 著者は語る - 週刊文春WEB

 政治学者の苅部直さんが、没後19年になる安部公房の世界を読み解いた。中心になるのは、1960年代半ばから安部が「都市」に関心を向けた時期に書かれた、『笑う月』『燃えつきた地図』『けものたちは故郷をめざす』といった小説群だ。時代は高度成長期。人びとが都市の煌びやかさに惹かれていた頃、安部が魅了されたのは、その開発の中で否応なく生み出されていく「ゴミ」や「廃棄物」。そこから浮かび上がる都市の風景は、時代の裏面としての「穴だらけの街」であった。

http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1182