Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

メモ

◇ AutoRadioGraphy - 森住卓のフォトブログ

福島原発事故から3年が過ぎ、すでに福島は終わったかのように人びとは振る舞っている。しかし、放射能の脅威は人びとの心と肉体に深い傷を追わせてしまった。目に見えず、臭いもなく、味もなく、音もなく、痛くもかゆくもなく五感で感じることが出来ない放射能。これを視覚化し人びとの脳裏に焼き付けたいと試行錯誤を続けている。放射能の視覚化は当初、東京大学農学部名誉教授の森敏先生の協力で、ICプレートを用いて映像化した。その後、フィルム(TRY-X)に感光させる方法で現在の映像を作り出している。

http://mphoto.sblo.jp/article/95605708.html


◇ 被曝スリッパ - 森住卓のフォトブログ

放射能汚染の実態を映像化するにはどうしたらよいか?事故直後から構想を考えてきた。いろいろ試してきた。これまで、ロールフィルムをホットスポットに長時間おいて露光させたり、オートラジオグラフでの映像化などなど。しかし、私は写真家なのでオートラジオグラフでは納得できなかった。
感剤に放射線を焼き付けることにこだわった。しかし、この映像化はいろいろな制約があってオートラジオグラフと同じくらい大変な労力と時間がかかる。
でも、一つ成功した。
この映像は浪江の警戒区域に落ちていたスリッパである。
使用したフィルムはコダックのTR-Xの大判の8X10フィルムだ。要するに密着焼きと同じ手法だ。現像は念のため2倍の増感現像をした。ネガを印画紙に焼き付けた状態で見せるため白黒反転させた。放射線が輝いて見える。

http://mphoto.sblo.jp/article/76670689.html


◇ 1260ガルを超える地震原発に来ない?? - 武田信弘ジオログ(ブログ)

 ガルの大きさにしても過小評価がされてきた。阪神大震災で初めて980ガルを超える揺れが観測されたが、それ以前は重力加速度を超える鉛直方向の揺れはないとされていたからだ。こういった誤解には二つの原因があるようだ。一つは、ある程度大きな地震そのものがあまり起こらず、実際の観測の機会がなかったこと。次に、地震計の設置場所は限られていて、震源域から離れていたり、震源域に近いとしても揺れがきちんと計測できない場合があることだ。2008年の岩手・宮城内陸地震では、たまたま震源域に近い地震計があり、一関西観測点(岩手県一関市)で4022ガルを記録して世界一の認定をギネスブックから受けている。ちなみに、この地震マグニチュード7.2とされていて、内陸型の大地震としては標準的なものだ。1995年阪神大震災を起こした兵庫県南部地震が7.3、2004年中越地震が6.8、2007年中越沖地震が6.8だ。

 ただし、原発の建物の揺れの大きさについては故意にごまかされてきた疑いが強い。そのことを述べるために、2007年の中越沖地震での柏崎刈羽原発の被害について述べた書籍「震度6強原発を襲った」朝日新聞取材班 の20ページから21ページの文章を引用する。


(*引用開始)
国内最大2058ガル
 作業員らが未経験の揺れに青ざめていたころ、所内に97台設置された地震計は、原発設計時の想定値を大幅に上回る地震波に揺さぶられていた。
 原子炉建屋最下階で揺れが最も大きかったのは1号機の地下5階の地震計で、東西方向に690ガルの最大加速度を記録した。この場所での設計時の想定値は273ガルだったから、その2.5倍にも達する揺れだった。
 ガルの揺れの大きさを示す加速度の単位で、1ガルは1秒間に秒速1センチずつ速くなることを示す。690ガルの加速度がもし1秒続けば、静止していた物体が秒速680センチ、つまり時速24.48キロまで加速される。
 2〜7号機でも最下階の地震計記録はいずれも想定値を上回った。東西方向の揺れで見ると、2号機は606ガル(想定値167ガル、以下同じ)、3号機384ガル(193ガル)、4号機492ガル(194ガル)、5号機442ガル(254ガル)、6号機322ガル(263ガル)、7号機356ガル(263ガル)だった。

(1)http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700/view/20140523/1400810323

 こうした地震計の記録は、重要機器や建物がどのように揺れたかを解析し、原発の耐震性を考えるうえで貴重なデータになるはずだったが、97台の地震計のうち本震の揺れをきちんと記録できたのは33台にとどまった。1台は回路異常で全く記録がなく、63台は最大加速度値は残ったものの本震の波形が失われており、うち9台は最大加速度値が上限1000ガルで振り切れていた。
 データが残っている範囲では、3号機のタービン建屋1階にあるタービンを載せる台上の地震計が、東西方向に2058ガルの最大加速度を記録していた。原発で確認された地震の揺れとしては国内最大で、世界でも最大ではないかと東電は見ている。設計時の想定834ガルの2.5倍だった。
 また、1号機タービン建屋1階では想定値274ガルの6.8倍にもあたる、1862ガルの揺れを記録していた。タービン建屋は最下階に比べるとより大きく揺れるとはいえ、異常な事態だった。
 1、5、6号機にある地震計の波形データは、大半が失われた。地震発生時に東京の本社にデータを送るための電話回線がつながらず、その後も余震が多発したため、データをためる記憶装置が満杯になり、データが上書きされたのが理由だった。
 07年3月の能登半島地震の際、北陸電力志賀原発でも、同じ理由でデータが失われていた。東電は07年度から08年度にかけて新型の地震計を置く予定だったが、その前に地震が起きた。 
(*以上引用終わり)


 この記事から分かるまず第一のことは、国内最大、そして、世界最大とも言われる2058ガルでさえ、本当に最大の揺れだったかどうかは不明だということだ。なぜなら、「9台は最大加速度値が上限1000ガルで振り切れ」ていたわけで、これらの地震計で2058ガルを超える加速度を記録していた可能性がある。

 次に、「1、5、6号機にある地震計の波形データは、大半が失われた。地震発生時に東京の本社にデータを送るための電話回線がつながらず、その後も余震が多発したため、データをためる記憶装置が満杯になり、データが上書きされたのが理由だった。」とあるが、奇妙ではないだろうか。なぜなら、地震計のデータはかなり前にデジタル化されていて、センサーが検出した揺れをロール紙に針で線を描くというようなシステムは2007年時点では確実に使われてはいないからだ。更に、データを電話線を経由して送信するということからも、デジタル化されていることが示唆されている。そして、もしデジタル化したものであれば上書きしたということはメモリーの記録部に上書きをしたというだけで、上書きしたデータ自体は読めるはずなので、データの「大半が失われた」ということは有り得ない。また、データを送信するというシステムを考えてもおかしい点がある。つまり、送信していないデータを上書きしてしまうようなシステムを組むかどうかということ。電話回線で東京の本社へデータ送信をしなければ永続的な記録が取れないシステムなのだから、まずは地震計内部に既にある記録を送信してしまうまではその部分に新たなデータを上書きしない仕組みでなければいけないからだ。このことは、単に上書きと言う動作そのものを考えても分かることだ。つまり、平時に上書きする際も、その記憶領域のデータが既に送信されたものかどうかをチェックした上で上書きがされなければならないからだ。つまり、何でもかんでもデータ領域を順番に使っていき、最後まで来たらまた最初から書き込みをやるというようなシステムはよほどデータ領域が大きく、数年間かからなければ満杯にならないために、その間に必ずデータのバックアップがされるというシステム構成のときのみ可能だからだ。(なお、このように平時であれば数年分の記録ができるとしているシステムはかなりある様子)だから、1、5、6号機にある地震計は相当な揺れを記録していた可能性が高い。それが隠ぺいされたのだと考えるべきだと思う。そうでなければ、なぜ、データ上書きと言ったことが起こったのかのもっと詳細な説明が必要だ。つまり、どの程度の記憶領域の大きさがあり、中越沖地震時の地震波形のデータがどの程度の大きさだったので記憶領域がどの程度の時間で満杯になり、いつ頃から上書きが始まったのかということだ。

 更に、この部分の記述から分かることは、原発の各種データは本社へリアルタイムに送信されているのが普通だということだ。(*福島第一原発事故の際に、揺れのデータの公表が一週間程度遅れたと記憶しているが、リアルタイムで送信されていたはずで、遅れたのは何らかの編集が行われたことを示唆していると思う。)

(2)http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700/view/20140523/1400810410

 以上のようなことを踏まえると、関電の幹部の方が裁判で「負けるとは考えていなかった」のはとても奇妙なことに思える。(*奇妙と思えることは、例えば、福島第一原発事故で原子炉建屋などに数多く付けられていた監視カメラ映像の検証がされていないが、そのことを指摘する声が日本国内の東電以外の電力会社からも上がらないことだ。)

 なぜ、こんなことが起こるのか、その原因を推理すると次のようなものになる。

1.電力会社の幹部の技術的な無理解。しかし、理系、または技術系の幹部もいるはずで、全てが文系の幹部ばかりではないはずなので、この理由づけは不自然。

2.現場技術者と管理・経営層との分離。つまり、現場の状況を上に上げていず、上層部は現場を知らない。そして、現場では異常データの隠ぺいが日常茶飯事とみなされているということ。この可能性は強いと思う。

3.真実を知る東電社員は一部のリモコン装置を背中に付けられた人だけで、それ以外の人は安全神話を吹き込まれ、マインドコントロールされていて、現場技術者も管理職も当たり障りのない情報だけを知らされている。この可能性もあると思う。

(3)http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700/view/20140523/1400810511