すぐれた映像クリエイターたちはみな、「建築家」だ!ありえない空間から立ちあがるリアルとは。小津映画の家から、宮崎アニメの城まで・・・。建築の本質にせまる、野心的な映像メディア考。
■目次
・序 いかに建築と映像をつなぐか
・第1部 舞台と美術
建築家としての小津安二郎
どこにも存在しない、「懐かしい」空間-種田陽平論1
「ザ・マジックアワー」と映画的リアル-種田陽平論2
黄金時代の美術監督-中古智、中村公彦、村木与四郎
「さくらん」と時代劇-蜷川実花と西岡善信
・第2部 空間と風景
他者のランドスケープ-リドリー・スコット論
不在の中心としてのローラ・パーマー-「ツイン・ピークス」
壮絶に変化する中国-「長江哀歌」「いま ここにある風景」
男女、家族をつなぐ塔と家-「東京タワー」「みんなのいえ」「海辺の家」
窓・扉・壁、距離感の測定-「裏窓」「不完全なふたり」「壁男」
向こう岸にわたることがない最期の橋-「ブリッジ」
ライブ感とフェティシズムと「ラブ&ポップ」
・第3部 架空の都市
カステロフィリアとしての宮崎駿
「イノセンス」が創造した極限都市-押井守論1
澄みわたる東京の空によぎる影-「東京スキャナー」押井守論2
人のいない世界-「めざめの方舟」押井守論3
ポストカタストロフのコラージュ・シティ-「新世紀エヴァンゲリオン」
瞳に映るもうひとつの近代-「スチームボーイ」
さかしまの世界-「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
過去と未来の東京景観-「ベクシル」
壊されるための模型-円谷プロがつくる都市
初めて見た「未来都市」-手塚漫画建築考
・第4部 建築家と映像
建築界が嫌悪した映画-「摩天楼」
ジャック・タチのウルトラ・モダン建築
ル・コルビュジエと映像
モンタージュと建築
なんだこれは?の魅力-「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」