ノウアスフィア(noosphere)は、ウラジーミル・ヴェルナツキーとテイヤール・ド・シャルダンが広めた「人間の思考の圏域」を示す言葉。ギリシャ語のνοῦς(nous, ヌース、精神・思考)とσφαῖρα(sphaira, sphere、球・空間)をかけ合わせて作られた混成語。近年に及んでインターネットにおける「知識集積」の比喩として用いられることが多い。
オープンソースの活動家であるエリック・レイモンドは、「ノウアスフィアの開墾」("Homesteading the Noosphere")という著作を公開している。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%82%A6%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2
ヴェルナツキーはまずノウアスフィアの概念を一般化し、生物圏の考え方を今日科学界で知られているような意味に拡大し深めた。生物圏(biosphere)という用語はオーストリアの地質学者エドアルト・ジュースの造語であり、ヴェルナツキーは1911年に彼と会っている。
ヴェルナツキーの地球発達の仮説では、ノウアスフィアは地球発達過程の第3段階であり、それ以前に「Geosphere(ジオスフィア; 無生物の物体)」と「生物圏; Biosphere」があった。生命の出現がジオスフィアからの転換をもたらし、人間の認識の出現が生物圏からノウアスフィアへの転換をもたらした。彼の理論では、生命と認識の原理は地球の進化の基本的特徴であり、地球には最初からその萌芽が潜んでいたとされる。これとは対照的にチャールズ・ダーウィンの自然選択説では、個々の種に注目し、全体を包含する原理があるとは考えない。
ヴェルナツキーの考え方は西側では広く受け入れられたとは言えない。しかし、彼は大気中の酸素/窒素/二酸化炭素が生物活動によって生まれたことを認識した最初の科学者の1人であった。1920年代、彼は生命体が他のどんな物理的力とも同じように惑星を変貌させる力を持っていることを数々の論文などで主張した。ヴェルナツキーはそういった意味で環境科学の科学的基礎を築いた人物の1人といえる[2]。