Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

田中功起、言葉にする「大城カズさんと話す、その1 約37分」「大城カズさんと話す、その2 約25分」

◇ with_kaz_oshiro_1

さて、第五回目はカルフォルニア・シリーズ第二弾ということで、LA在住のアーティスト、大城カズ(大城康和)さんをお迎えしてます。

ぼくがはじめてカズさんの作品を見たのは、いまはなきRelaxというカルチャー誌上ででした。ピンク色のマーシャル・アンプの積み上がっている作品で、それが実はキャンバスでできあがっている立体・絵画だってことを知って驚きました。



ぼくがカズさんに共感するのは制作に対する態度です。自分が立っている場所を受け入れ、できるかぎり妥協せず自分の感じているリアリティを形にする。アーティストならばかならず必要なことなんでしょうけれども、なかなかぼくもできてません。カズさんの制作・言葉からはぶれない確かななにかを感じます。


最初のセッションでは、「作ること」と「見せること」の違い、その矛盾をどう解決するかというカズさんの出発点について話してもらってます。

オリジナルの収録日:2009年8月20日

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http://kktnk.com/podcast/kotoba/Entries/2009/11/14_with_kaz_oshiro_1_1.html


◇ with_kaz_oshiro_2

このセッションではぼくが「展覧会」という制度の問題について疑問を投げかけてます。ぼくがそこで考えていたことは制度を単に否定することではなく、そのなかにいてどのようにアーティストが自由を取り戻すかって問題でした。話は作品をめぐる経済のことにも発展します。でもどうも今回、舌足らずでうまく言葉にできていません。この問題、今後も継続して考えていきたいです。


オリジナルの収録日:2009年8月20日

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http://kktnk.com/podcast/kotoba/Entries/2009/11/25_with_kaz_oshiro_2_1.html


Kaz Oshiro - Rosamund Felsen Gallery
http://www.rosamundfelsen.com/oshiro/index.php


Kaz Oshiro [Images] - CLEAR GALLERY
http://www.cleargallery.jp/jpn/artists/kaz_oshiro/image.html


koki tanaka works
http://kktnk.com/


※過去の田中功起さん関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%c5%c4%c3%e6%b8%f9%b5%af

第2回 文化行政の「事業仕分け」について - 連載 椹木野衣 美術と時評 - ARTiT

平成22年度の国家予算配分をめぐる、行政刷新会議による「事業仕分け」が話題となっている。いわゆるスパコンなどが「廃止」から一転、息を吹き返したように、どうやらこの会議による仕分けが最終判断ということではないらしい。が、ここで示された方向性が今後、行政の向かうひとつの大きな流れとなっていくことは避けられなかろう。もちろん、文化行政も例外ではない。

http://www.art-it.asia/u/admin_columns/47Il0WSmBUZ8JTtxQkHh


Twitter / koki_tanaka: この椹木さんの「事業仕分け」の件、ぼくも文化庁から奨 ...

この椹木さんの「事業仕分け」の件、ぼくも文化庁から奨学金もらっているので、人ごとではない。でも正直、ずっと海外に住んでいるひとが応募してとれちゃうとか、不思議な面もあったけど。お金ほんとうにないひとが海外行ける可能性はなくさないでほしい。→http://bit.ly/8gqyrM

http://twitter.com/kktnk/status/6162448400


※過去の椹木野衣さん関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%dc%bb%cc%da%cc%ee%b0%e1

岩元真明さんのはてなダイアリーより2題

コールハース「進歩VS終末論」の感想 - ベルリン・レター・パート 2

最近OMAのホームページにコールハースのレクチャー記録がアップされている。

http://www.oma.eu/index.php?option=com_content&task=view&id=132&Itemid=25

とりあえず、"Sustainability: advancement vs. apocalypse"(「サステイナビリティ思想のふたつの潮流: 進歩と終末論」)を読んでみた。

現代の自然観についていろいろ考えさせられテクストだった。以下、かんたんなまとめと長い感想を述べます。

日本においては、「省エネ」や「エコ」と様々に名前を変えるブームは明らかに政治力学と結びついている。その第一の波はオイルショック直後であり、湾岸戦争時にも省エネブームが勃発。現在のエコ・ブームは9.11以降に加速している。オイルの供給に不安がある時代に、政策を背景としてエコ意識が高まるのだ*7。オイル欠乏への不安、それはコールハースいうところの終末論的きっかけである。終末論的エコ意識は、精神論的エコ建築を生む。エコな古民家ライフといった建築商品は、その発露のように思える。

もうひとつ、世界的に見いだされるエコ建築の傾向が緑化だ。これもまた、都市への反発/自然への回帰を志向する、典型的な終末論タイプだろう。緑が温暖化防止に寄与しないとは思わないが、大きな威力があるとも思えない。建築の緑化の話題は、心理的影響とセットで語られることがあまりにも多い*8。


Squint/Opera(fig.3〜4)やStudio Lindforsの温暖化で水没した都市のドローイング(fig.5〜6)では、終末論的傾向に敏感に反応し、それを「美しく」「楽しげな」未来に見せようとしている。これらの表現はあまりにも楽観的ではないだろうか?「破滅的な状況でも人間は希望を捨てない」とでも言いたいのかもしれないが、前提に無責任さを感じる。


ブランドDIESELがキャンペーンをはった、"Global Warming Ready"(「地球温暖化、準備オーケー」)にもまた、上述のドローイングと同様の意図が見いだされる(fig.7)。ディストピアを享楽的に過ごすイメージがクールなのだとしたら、僕はついていけそうもない。

http://d.hatena.ne.jp/masaaki_iwamoto/20091127


◇ ¥€$体制の終焉 - ベルリン・レター・パート 2

円、ユーロ、ドル。世界の三大通貨の頭文字を繋ぎ合わせて、レムは「YES=イエス」と頷いてみせる。つまり、¥€$体制とは、市場経済が世界を席巻した現代社会を示すキャッチフレーズであると同時に、良識的な建築家のように「ノー」と背を向けず、揶揄されながらもその波に乗ることを辞さない、レムのスタンスそのものと言えるだろう。*3

アカデミーの安全地帯からグローバル資本主義を批判するポーズを続けていても仕方がない。むしろ、「¥€$」にあえて「YES」と言い、グローバル資本主義経済の波に乗ってサーフしてみよう。...*4

コールハース = ¥€$体制の肯定者」。これがコールハースについての標準的な理解である。しかし、近年のコールハースの仕事は、ここからの逸脱が見られるようになってきた。

ドバイ・ルネッサンスのプロジェクトで、コールハースはアイコニックな建築が乱立するドバイにおいて、あえて無個性な建築を計画した。これはレクチャーで述べられている「¥€$の終焉」に反応したプロジェクトである。金融資本主義の一夜城であるドバイにおいて、コールハースは¥€$体制が生み出す建築の限界を感じたのである。前掲のドローイングに、自身が設計したCCTVが含まれているのが興味深い。コールハースは、自身の建築すら批判の対象に含めている。


コールハースのこのような変化は、変わり身の早さと見るべきだろうか?必ずしもそうではないだろう。

無数の差異が乱立することで逆説的に無個性な都市が生まれるという発見は、『ジェネリック・シティ』というテクストですでに準備されていたとも言える。しかし、無個性を肯定する「ジェネリックス」がプロジェクトに現れ始めたのは最近だ*5。これらは美学的に見て、はっきりと近代建築を意識しており、モダニティという時代がいまなお継続し続けていると表明しているようである。

http://d.hatena.ne.jp/masaaki_iwamoto/20091129


>>>岩元真明さんの「ベルリン・レター」よりコールハース関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080724#p3


>>>La villa Dall'ava(ヴィラ・ダラヴァ)
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20081124#p2

【勝負仕事告知2】私設『思想地図 vol.4』全記事ガイドコメンタリ - 暁のかたる・しす

ちびちび読み進めていた『思想地図 vol.4』、ようやく読了。頭から順番に全部読んで、各記事の並びが予想以上に緊密な連関性を醸し出していて、慄然とする。まさに全体を通じて、断片同士がかけ合わさって、全体で一遍のハイブリッドな物語になっているかのよう。こりゃすごいや。バトンの受け渡し感・視点の複線化感が、これまでの号以上に強い気がします。編集者脳がビリビリ刺激されまくりの読後感にまかせて、全記事の流れを意識してコメンタリーしたい欲望がムクムクと。もう書店に並んでるようなので、これから読む人向けのガイドに、11/26にツイッターでつぶやいたものに加筆してまとめてみました。

http://d.hatena.ne.jp/qyl01021/20091127


◇ 思想地図vol.4 特集・想像力 (NHKブックス別巻) - 三色スミレの成長日記〜LA PENSEE SAUVAGE

中沢新一村上隆宮台真司宮崎哲弥山本寛、氷川竜介、前田塁斎藤環仲正昌樹阿部和重鹿島田真希福嶋亮大黒瀬陽平速水健朗、中川大地、白井聡

http://d.hatena.ne.jp/tatar/20091126/p1


NHKブックス別巻『思想地図vol.4』の特集は「想像力」! - 勝手に思想地図ニュース
http://d.hatena.ne.jp/kattechizu/20091006/1254829864


◇ お知らせ - NHKブックス別巻 思想地図 - NHK出版
http://www.nhk-book.co.jp/books/nhk_books/shisou/info06.html
http://www.nhk-book.co.jp/books/nhk_books/shisou/


◇ 『思想地図vol.4 特集・想像力 (NHKブックス別巻)』
http://www.amazon.co.jp/dp/4140093471


◎ 思想地図ニュース (shisouchizu) on Twitter
http://twitter.com/shisouchizu
http://twitter.com/shisouchizu/shisouchizu

PHOTO GRAPHICA vol.17 2009 Winter 川内倫子 - MdN Design Interactive

現代写真の視点を追う写真表現の総合情報誌

PHOTO GRAPHICA[フォトグラフィカ]

2010 Winter 発売中!


巻 頭 特 集
川内倫子 「6×6」
6×6の名機、ローライフレックスを駆使して、女性ならではの淡く切ない構図と色彩の作品をつくり続ける川内に密着。インタビューと対談で川内倫子の人気と魅力に迫る。


第 二 特 集
写真と写真集のNEXT STAGE
2009年の写真集を振り返るとともに、これから出版される新しい写真集の紹介なども。また、「写真を買う」行為についても検証する。アートコレクターや編集者といった識者の談話を基に写真を買うことについての魅力を紹介する。


連載

topics 徐美姫/天野裕氏
PHOTOGRAPHERS'FILE 杉本剛/渡邊夕紀
写真雑誌の時代
off beat
暗室拝見
News&Topics
見知らぬ街

http://www.mdn.co.jp/di/book/341001/


◇ [info. 1] - another field

現在発売中のPHOTOGRAPHICA 2009 WINTER vol17.にて原稿を書いております。タイトルが「写真集から読み取る2010年代の写真表現」と題されておりますが,メインの記事となった「だまされるという前提」および選出した写真集は私自身が昨今気になっていたものを取り上げさせていただきました。2010年代の写真表現はあくまでもこれから試みられていくものであり、時代を振り返ったときに総括できるものなのではないかと思っております。誤解を与える表記になっていることを訂正したいと思います。


選出写真集:
□ Thomas Demand. Phototrophy. 2005. Schirmer/Mosel
畠山直哉. Scales. 2007. Nazraeli Press
Wolfgang Tillmans. wako book 4. 2008. ワコウワークスオブアート
□ アラン・ジョベール. 歴史写真のトリック 政治権力と情報操作. 1989. 朝日新聞社
□ Lyle Rexer. THE EDGE OF VISION - The Rise of Abstraction in Photography. 2009. aperture

http://another-field.blogspot.com/2009/11/info-1.html
良知暁さん(http://www.rachiakira.com/)のブログより。


◇ PHOTO GRAPHICA[フォトグラフィカ]2009 WINTER (フクヘン。- 雑誌ブルータス副編集長、鈴木芳雄のブログ)

もうひとつの特集「写真と写真集のNEXT STAGE」。
写真集についての総括をし、オリジナルプリントについて考える。
清水穣氏、竹内万里子氏ら写真関係の論客が筆をふるっている。

オリジナルプリントのセクションで僕も協力させていただいた。


オリジナルプリントの魅力を聞く/買ってみてわかる写真の愉しみ」
という記事。僕的には「買ってみてわかる」よりも「手元に置いてわかる」
としたいところだが「買ってみて」の方が、まあ、わかりやすいですね。

僕のささやかなコレクションから、海の写真を選んでお見せしました。
杉本博司氏、ホンマタカシ氏、佐内正史氏の3人の海です。

同じセクションに登場されている大和プレスの佐藤辰美さんはすごい
コレクターで僕などは足下にもおよびません。彼の言葉がいい。
「写真は臨場感。だからプリントを買いなさい」。
佐藤さんの「もっと見たい」「全部見たい」という意欲に僕も
少しでも着いていきたいと思います。

http://fukuhen.lammfromm.jp/2009/11/photo_graphica2009_winter.html
↓こちらもどうぞ。


[参考] The Short Epic
http://gallerist.cocolog-nifty.com/epic/
この温度差は重要!
自称ギャラリスト・福川芳郎氏*1のブログ。


※過去の「アート写真」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%a5%a2%a1%bc%a5%c8%bc%cc%bf%bf

*1:“東京都生まれ/金融機関勤務を経て1991年よりアート写真ギャラリーを運営/1999年にアート写真総合情報サイト"Art Photo Site"を開設”とのこと。

再録(http://d.hatena.ne.jp/n-291/20081228#p5 http://d.hatena.ne.jp/n-291/20081230#p3)+α

■「天下一品」銀閣寺店のトーマス・マックナイト


>>>ヒロ・ヤマガタ(山形博導)問題 / 画壇(団体系)の裏・闇・カラク
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20080716#p3


>>>アート写真(笑)
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20081031#p4

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Circulation   | 

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[参考] 前衛としてのオリジナルプリント販売
http://www.alao.co.jp/002006teacyourchildren/aoprintnew.html
意味もなく「前衛」「前衛」言いたがる↑↓マーケターの人々。あなかしましや。


[参考] 古いが一番新しいファイン・アート写真の前衛とは - The Short Epic
http://gallerist.cocolog-nifty.com/epic/2009/10/post-2496.html

WIRE http://www.pinkflag.com/ - 荒れ地

http://www.pinkflag.com/listen.php

上記のリンクから無料で13曲ダウンロードできた。

http://d.hatena.ne.jp/areti/20091127/1259305863
西澤諭志さんのはてなダイアリーより。


◇ Simon Reynolds, Rip It Up And Start Again: Post-Punk 1978-1984 について - TFJ's Sidewalk Cafe

この本においても、 punk のポピュリストと前衛との分離というのを基本的な構図としています。 音楽形式の革命を進めた前衛の側を post-punk としています。 ちなみに、ポピュリストの側はイギリス (UK) では Oi! へと、 アメリカ (US) では hardcore へと展開したとしています。 そして、Oi! や hardcore についてはこの本の範囲外としています。 また、post-punk のミュージシャンやレーベル関係者には アートスクールや大学出身者がそれなりの割合で含まれており、 労働者階級上層から中流階級下層のグレーエリアから出てきていると指摘しています。


ちなみに、post-punk なアートスクールバンドの典型として選ばれているのは、 アメリカ (US) の Talking Heads とイギリス (UK) の Wire です (第8章の "Art Attack: Talking Heads and Wire")。 David Byrne & Brian Eno, My Life In The Bush Of Ghosts (EG, 1981) と Dome, Dome 3 (Dome, 1981) の対比とか。 両方とも大好きなバンドですが、似た傾向を持つバンドだとは思わなかったので、 対比して書かれているのは興味深かったです。繋ぐ鍵は Brian Eno ですか。


そんなわけで、出身階級や学歴などの記述もけっこうあるのですが、 Wire の Bruce Gilbert は デビュー時 (1977年) に抽象画を書く画家をしながら Watford Art School で映像・音響の技官をしていて 31歳だった (p.142) ということを今更ながら知りました。そうだったのかー。 The Raincoats の Ana Da Silva は Dylan で学位論文を書いて語学の博士号を持っていて (had a doctorate in languages and a thesis on Dylan under her belt)、 結成時 (1979年) に27歳だった (p.213) というのは、もっと驚きでしたが。 あと、Factory レーベルの Anthony Wilson が Cambridge 卒だ (p.95) というのは知ってましたが、 Rough Trade レーベルの Geoff Travis もそうだった (p.103) のか〜。


post-punk な独立系レーベルとそれ以前の独立系レーベルの違いとしては、 資本と配給の面でもメジャーから独立しているということを挙げています (第6章 "Autonomy In The UK: Independent Labels and the DIY Movement")。 しかし、この場合の対比となるレーベルは Virgin、Island、Chrysalis です。 先行する独立系レーベルとして jazz / improv の IncusBritish folk の Topic も挙がっていますが、 地域的な市場やニッチなジャンルのレーベルとして対比の相手としていないように思います。 Incus や Topic も資本や配給の面でもメジャーから独立していますから。 しかし、post-punk な独立系レーベルも、ニッチのように思うのですが。

http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/20050331.html