Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

WIRE http://www.pinkflag.com/ - 荒れ地

http://www.pinkflag.com/listen.php

上記のリンクから無料で13曲ダウンロードできた。

http://d.hatena.ne.jp/areti/20091127/1259305863
西澤諭志さんのはてなダイアリーより。


◇ Simon Reynolds, Rip It Up And Start Again: Post-Punk 1978-1984 について - TFJ's Sidewalk Cafe

この本においても、 punk のポピュリストと前衛との分離というのを基本的な構図としています。 音楽形式の革命を進めた前衛の側を post-punk としています。 ちなみに、ポピュリストの側はイギリス (UK) では Oi! へと、 アメリカ (US) では hardcore へと展開したとしています。 そして、Oi! や hardcore についてはこの本の範囲外としています。 また、post-punk のミュージシャンやレーベル関係者には アートスクールや大学出身者がそれなりの割合で含まれており、 労働者階級上層から中流階級下層のグレーエリアから出てきていると指摘しています。


ちなみに、post-punk なアートスクールバンドの典型として選ばれているのは、 アメリカ (US) の Talking Heads とイギリス (UK) の Wire です (第8章の "Art Attack: Talking Heads and Wire")。 David Byrne & Brian Eno, My Life In The Bush Of Ghosts (EG, 1981) と Dome, Dome 3 (Dome, 1981) の対比とか。 両方とも大好きなバンドですが、似た傾向を持つバンドだとは思わなかったので、 対比して書かれているのは興味深かったです。繋ぐ鍵は Brian Eno ですか。


そんなわけで、出身階級や学歴などの記述もけっこうあるのですが、 Wire の Bruce Gilbert は デビュー時 (1977年) に抽象画を書く画家をしながら Watford Art School で映像・音響の技官をしていて 31歳だった (p.142) ということを今更ながら知りました。そうだったのかー。 The Raincoats の Ana Da Silva は Dylan で学位論文を書いて語学の博士号を持っていて (had a doctorate in languages and a thesis on Dylan under her belt)、 結成時 (1979年) に27歳だった (p.213) というのは、もっと驚きでしたが。 あと、Factory レーベルの Anthony Wilson が Cambridge 卒だ (p.95) というのは知ってましたが、 Rough Trade レーベルの Geoff Travis もそうだった (p.103) のか〜。


post-punk な独立系レーベルとそれ以前の独立系レーベルの違いとしては、 資本と配給の面でもメジャーから独立しているということを挙げています (第6章 "Autonomy In The UK: Independent Labels and the DIY Movement")。 しかし、この場合の対比となるレーベルは Virgin、Island、Chrysalis です。 先行する独立系レーベルとして jazz / improv の IncusBritish folk の Topic も挙がっていますが、 地域的な市場やニッチなジャンルのレーベルとして対比の相手としていないように思います。 Incus や Topic も資本や配給の面でもメジャーから独立していますから。 しかし、post-punk な独立系レーベルも、ニッチのように思うのですが。

http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/talk/20050331.html