Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

小林のりおさんの「special」より

「日本の公募、特に写真の公募で不思議なのは公募内で評価されても外にでるとその評価が全くといって効かない所。これ、いったいなんでだろうか。単純にその評価の裏付けがないからだと思う。審査員は、これが「いい感じ」で選んで、グランプリが決まって役目は終わり。誰もその選んだ事に責任を持たないし、その子の未来より、自分のお仕事にもどっていってしまう・・・」と鈴木心君が彼のサイトに書いていた。


最近は公募展が若い写真家志望の人たちの間で繁盛している。僕らの若い頃にはこうした公募展などはなかった。コツコツと地味に個展を繰り返したり、有り金はたいて写真集を作ったりしながら、長い年月を経て一人前の写真家として世の中に認知されるのが普通だった。今でも写真家とはそうやって長い時間の中で育って行くものだと思っている。公募展は、所詮コンテストにすぎない。スポンサー企業と企画者たちの思惑の中で、応募作品の中での優劣がランク付けされるにすぎない。それを承知の上で、ゲームのように楽しめばいいのだ。もちろん、グランプリをとったからといって、その後の写真家への道が保証されるわけではない。何もしなければ、一過性の事として忘れ去られるだけだ。つまり、世の中そんなに甘くはない。「誰かが育ててくれる」と思ったら大間違いで、むしろ「出る杭は打たれる」だろう。だから「出る杭は打たれ強い」にならなければいけない。まあー、公募展はひとつの切っ掛けにはなるかもしれない。だから、やる気のない学生たちに「公募展にでも出してみなよ」とけしかける事もある。ゲームをやるからには、勝たなければいけない。もちろん、勝つための戦術もある。


でも、所詮ゲームだ。喜びは一瞬で消えて行く。君は、その後に続くフラットな時間に、孤独さに、勝てるだろうか。

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小林のりおさんのサイトがリニューアルされたようです。
http://www.artbow.com/