Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

『THE SIGN OF LIFE』の清野賀子さん死去!?

◇ 写真家・清野賀子の死 / Yoshiko Seino - Riwkakant
http://riwkakant.blogspot.com/2009/07/yoshiko-seino.html
このブログの記述には「ちょっと違うんじゃないですか?」と言いたくなるような箇所が散見しますが、とりあえず我慢。
清野賀子さんのご冥福をお祈りいたします。


◇ 清野賀子写真集『THE SIGN OF LIFE』 - Osiris

『THE SIGN OF LIFE』は、写真家・清野賀子による新作60点を集成した写真集です。彼女の活動を雑誌などの仕事を通して目にしているファンも多いことかと思いますが、まとまった形での作品の発表は、本書が初めてとなります。これまで写真家、編集者、美術関係者など、写真好きの人たちの間で話題になっていた彼女の写真の魅力を十分にお楽しみいただける、待望の写真集です。中型カメラで撮影された写真のディテールや微妙な色彩は、Web上ではとても再現できないのですが、ご参考までに収録したいくつかの作品をここにご紹介いたします。


『THE SIGN OF LIFE』に収録された写真は、千葉、茨城、青森、愛媛、高知など、すべて日本国内で撮影されています。にもかかわらず、ここには日本の風景として類型化しているような写真は一点もありません。普段私たちが繰り返し目にする、絵葉書的な日本の風景写真は、残念ながら、決して現代を代弁はせず、21世紀を生きる私たちにフィットする感覚からはほど遠いものです。しかしなぜか、人影もなく、一見何の変哲もない静謐な清野賀子の写真には、私たちが共有できる現代の感覚が記録されています。彼女が本書で提示した60の場所は、それぞれに日本のどこかで見たことのある、けれどもあらためてその魅力について思考されることのなかった場所と言えるでしょう。


……一般に西欧言語のなかでいう意味でのアイデンティティ、つまり自己と歴史と民族と国家のきしみのなかで個としての自分の根拠を発見する、といったアイデンティティのありようとはちがうものが、清野賀子の写真にはある。ほとんど無人の風景を撮った写真に、アイデンティティという言葉を使うのは奇妙にきこえるかもしれないが、ウィリアム・エグルストンの撮ったアメリカ南部の写真についてユードラ・ウェルティが述べたように、これらの風景写真は私たちのポートレイトでもある。……ここにあるアイデンティティのありようの新しさは、これらの写真の、ひたすら胸に迫るような美のなかに含み込まれてあるために目につきにくいかもしれないが、とても革命的なものなのだ。
――本書収録の今枝麻子「すべての創造の回路をショートさせる」より抜粋

清野賀子(せいの・よしこ)略歴

1962年、東京生まれ。1995年より写真を本格的に始める。以降、独自のスタンスで写真家として活動を継続し、国内外で注目されている。1999年にギャラリー小柳(東京・銀座)にて、シリーズ「Emotional Imprintings」を発表。横浜美術館ほか、内外のグループ展に参加。2000年から2001年にかけて撮影された新しいシリーズ「The Sign of Life」を集成した本書は、写真集として第1作目。

http://www.osiris.co.jp/sol.html


◇ 今福龍太が読む 21 / 清野賀子『THE SIGN OF LIFE』 - Cafe Creole / カフェ・クレオール
http://www.cafecreole.net/corner/essays/reviews/r21-seino.html


◇ 清野 賀子 a good day, good time - PUNCTUM プンクトゥム
http://www.punctum.jp/seinoyoshiko_jp.html


◇ 商品詳細|反記憶/現代の写真 II ― ANTI-MEMORY : Contemporary Photography II - MILBOOKS -online book seller-
http://www.milbooks.com/shop/detail.php?code=BK080277
※このページの目次には誤植あり。
 ×「Taime After Time 清野賀子の二つの連作」 倉石信乃
 ○「Time After Time 磯田智子の二つの連作」 倉石信乃