Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

おとなのしくみ(音楽業界版)

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2009年増刊号 - 浸水ノート / 柴那典

このことは本当はブログには書かないつもりではいたのだけれど、やっぱり書こうと思う。最初はそんなにも気にしていなかったのだけれど、だんだんこれは自分の中でちゃんと言葉にして吐き出さないといけない、という思いがしてきたから。吐き出さないと、それが歪んだ形の感情になって育っていきそうだから。

まり具体的にどこがどうかと書くと角が立つかもしれないけれど、修正の内容としては、主に、あるアーティストのステージにあまり人がいなかったという記述を削ったのがまず一つ。もちろん悪意のある書き方はしていない。そのバンドの知名度や同じ時間帯に出てたメンツによってはステージごとの集客のばらつきがあるのは当然のこととして、その中でそれぞれのアーティストたちが自らの出音を武器に通りすがりの一見さんをひきよせていく風景というのは僕はフェスの美しい光景、あるべき姿の一つだと思っている。そういうことを書きたかったんだけれど、「かわいそうなので」という理由で削除になった。

もう一つは、特定のあるステージについて「孤島みたいなところ」と表現したとあるアーティストのMCを削ったこと。これも、決して悪意ある発言だったり文句だったりするわけではない。限りある文字数では書ききれないが、その場所へ彼らを見るために集まった人達への感謝をユーモアをこめて言ったMCだったと思っている。これも結果的には“差し障りのない表現”に差し替えた。

今回から規制が激しくなったダイブやモッシュについては、この際だから書いてしまうと、もう数年前からずっと、ロック・イン・ジャパン・フェスでもカウントダウン・ジャパンでも、誌面上では「起こってないこと」になっている。一切触れないというルールになっている。アーティストがステージを下りて客席に突入!なんていうことも、「本来ステージと客席がセパレートになっている公演では起こってはならないこと」という理由で、もしあったとしてもそれは書けないことになっている。

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