Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

『日本の難点』 『ミラーニューロンの発見』 『ニッポンの思想』 - 瓶治郎の現代詩

例えば浅田の「投瓶通信」だが、これが成立するのは90年代まででゼロ年代においてはそんな話は完全に過去のものになった。

言わずもがなグーグルのせいだ。「まじめに書いて、後は海に流」したら届いてしまうのだ。したがって、届けるための「パフォーマンス」とは商売のための営業活動の意味しか持たなくなった。「最大の行動原理」なるものの根拠が消滅したのだ。

もちろん、グーグルが扱えないものもある。

例えば、「日食を見てなにかを感じる。そのような素朴で知的な感動」などだ。

だからこそ、ゼロ年代において「ひとり勝ち」した思想家は「そのような素朴で知的な感動を思想に昇華する営み」を行う者である。

その「ひとり勝ち」したのは誰か?「ひとり勝ち」というからには80年代の浅田と中沢の両方を合わせたような人気を持ちメディアに露出して本を多数出版し売れているような状態を指すのであるが、そんな人物はゼロ年代において一人しかいない。

言わずもがな茂木健一郎である。

彼こそがゼロ年代を代表する「思想家」であって、どこぞのスモール・サークル・オブ・フレンズの話などされても困るのである。

ようするに、好むと好まざるとにかかわらず、というか大いに好まざるのであろうがゼロ年代の思想とはグーグル(に象徴されるインターネット)による知の暴力的整理と、それに対抗的かつ補完的に感性的なものを「科学的に」理論化する茂木の「クオリア哲学」である。

こういう恐ろしい現実を見たくないという気持ちは分かるが、それで時代を語るには無理が生じるのは当然だ(スタジオボイスの最終号も大変な無理が生じていた)。

このままだとテン年代(あくまで佐々木敦が提唱する呼び名)はもっと恐ろしいことになるかもしれない。

ミラーニューロンの研究成果を引っ提げて、長考から目覚めた茂木が斉藤環ラカンの正しさを解説する時代がやってくるかもしれないのである。

http://d.hatena.ne.jp/KGV/20090814/p1
アイロニー


>>>最近の「ドクター茂木健一郎」関連ほか

◇ [往復書簡] - pentaxx備忘録

 だいぶ前になりますが、茂木健一郎氏との往復書簡については、双風舎から終結宣言が出されました。返信を待ち続けている間に、2度ほど対談の申し入れがあったことをここに暴露いたします。そういった所作もふくめて、まあ茂木さんは「そういう人」なんだなあということが良くわかりましたので、個人的には思い残すことはありません。以後私が積極的に茂木批判を展開することはありませんが、コメントを求められればつい往復書簡をネタにしてしまう可能性はあります。ぜひ生暖かい目で見守っていてください。

http://d.hatena.ne.jp/pentaxx/20090418/1240008197


◇ そうだったんですか、斎藤さん - 書籍出版 双風舎

往復書簡でやればいいことを、どうしてわざわざ対談でやろうとするのでしょうか。私の知らないところで茂木さんが斎藤さんに対談を申し込むということは、別の出版社が動いていたということになりましょう。

まさに、「鳶に油揚げをさらわれる」という状況になりそうなところを、斎藤さんが対談を断ったので、そうならなかったことが予想されます。斎藤さん、ありがとうございます(と、お礼をいうのも不思議な感じですが)。

ん〜、茂木さん&別の出版社さん、なんと姑息な……。

http://sofusha.moe-nifty.com/blog/2009/04/post-8454.html


◇ 雑記 4.12-4.18 - liber studiorum

なんと、往復書簡の返信はせずに、対談の申し入れをしていた、と。
大方、面と向かってだと批判もしにくいだろうっていうんで、最初に斎藤のことを大げさに持ち上げておいて、「いやー、ボクも斎藤さんも、真理を探究に対するパッションに違いはないと思うんですよね、アハハハ」とか何とか言ってワキアイアイの対談という風に仕立て上げて、往復書簡の方はウヤムヤにしようとしたんでしょ。
そういう人です。

http://a-gemini.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/412-418-1ee5.html


>>>書籍出版 双風舎のサイトから2題
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090305#p2


斉藤環心理学化する社会――癒したいのは「トラウマ」か「脳」か』 - 「石版!」

 今回もそういう類の本ではあったのだが、このタイミングで初めて斎藤環の著作に触れようと思ったのは、なにより「斎藤環-茂木健一郎の往復書簡」*1が先日連載終了が宣言されたことである(茂木健一郎の往信が一切ないままに)。これがあったから、私は最近茂木健一郎という人が気になって仕方が無い(氏の著作に『脳とシューベルト』という副題の本があるのを見つけ、ズッコケそうになったぐらいに)。『心理学化する社会』が書かれたのは2003年のことだが、このとき既に「汎脳主義」的なものへの批判的な指摘が書かれていて面白い。当時はまだ大衆領域において茂木が大ブレイクを果たす前だと思うのだが*2、斎藤の指摘はいまなお有効であろう(それは『汎脳主義を受け取る側』の問題でもある)。

http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20090413/p1
シューベルトだけじゃなく、モーツァルトワーグナーも。
そして、ドクター茂木健一郎の次の脳講和のお題はバッハ。。。


◇ とうとうマスコミでも批判が - Procrastinator's column

ただ、この記事で弱いのは、「茂木氏は科学者ではない」といっているのが“物理学者”の大槻名誉教授ということだろう。これが、理研のA先生とかI先生、あるいは日立のK先生のコメントだったら、それこそ大ダメージだったろう。

それでも、まあ、ほとんどの神経科学者で、茂木さんを一流研究者と思っている人はいないんじゃないかと思う。その認識は、よく言えば神経科学の“伝道者 (evangelist) ”、悪く言えば“電波芸者”といったところだろう。

SfN(北米神経科学会)の学会会場でも見かけたけど、いつも床に座ってマックで何か書いているか読んでいるかだった。内外に認められている存在であれば、もっとも規模の大きい世界中から研究者が集まる学会なのだから、ポスター発表者やその他の研究者と熱心に議論していたりする姿が見られてもおかしくないはずなのだが・・・。

また、彼の語る「脳科学的には−」の知見のうち、彼が実験したもの研究したものはほとんどないというのも問題があるように思う。論文自体、彼がfirst author(論文で表記される著者名で、もっとも最初に書かれている人のこと。その論文の実質的な代表者・責任者であるとみなされる)であるものがないし、彼がどういう実験をして、どういうことを明らかにしたのか、見たことも読んだこともない。

http://blog.livedoor.jp/weidows95/archives/52276396.html


>>>qjnさん(id:qjn)のTumblr「a days」(http://qjn.tumblr.com/)から
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090223#p7

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090421#p5


>>>[くおりあ]ドクター茂木健一郎 関連メモ

YouTube - イチロー茂木健一郎の本音を突いていきました
http://www.youtube.com/watch?v=rRAw1R3Mkco
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090421#p5

http://d.hatena.ne.jp/n-291/20090506#p2


※過去の「ドクター茂木健一郎」関連
http://d.hatena.ne.jp/n-291/searchdiary?word=%cc%d0%cc%da%b7%f2%b0%ec%cf%ba