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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

CDを2度がけすると誰にでも分かるほどハッキリ音質が向上する?/オーディオの作法-麻倉怜士 - matsu & take

「スピーカーの間にテレビを置かない」「床へのベタ置きは禁物」「プレーヤーに振動を与えない」「オーディオにも慣らし運転が必要」といったオーディオを扱う上で必ず押さえるべき基礎知識を「作法」として、難しい専門用語やスペックの話を極力避けて、分かりやすく実践的なものを中心に紹介しています。オーディオ無作法者の自分にとって大いに参考になる作法もあれば、「そりゃそうなんだろうけど、そこまで気を使ってどこまで効果があるものなの?」と感じてしまう作法もあり、総合的にはそこそこ楽しんで読みました。

が、紹介されている作法のひとつが、にわかには信じがたい内容で、しかもそれがオーディオ界のプロやマニア、レコーディング・エンジニアの間では広く知られたテクニックだと書かれており、驚愕しました。その作法は「CDは必ず『2度がけ』する」というものです。以下に引用します。

■ 作法三十四・CDは必ず「2度がけ」する(p.136)

まずは一度CDを入れて再生し、「何もしなければ、こんな音です」と確認します。そしてイジェクトボタンでCDを取り出し、再度 CDをインサートして「プレイ」ボタンを押す ー必要な動作はこれだけです。一回読み込んだものを取り出して、再度読み込んだだけなのに、音質は誰にでも分かるほどハッキリ向上します。1回目はいかにも CDらしい硬い音であっても、2回目はキンキンしたところがほぐれて、しなやかになり、音に豊潤さが出てくるんですね。私の感触で言うと、そのCDプレイヤーの実力を「価格の倍くらい」にアップさせてくれます。

CDを入れ直すだけで音が豊潤になって、価格の倍の実力を発揮する!誰にでも分かるほどハッキリ向上!にわかには信じがたい。早速実践しましたが、自分の持っている安物のCDプレイヤー&オーディオ環境ではまったく体感することが出来ませんでした。しかしネットを検索すると「効果ありました」なんていう声もちらほら見つかりました。

仮に「2度がけ」がCDプレイヤーの読み込み精度の繊細さが原因だとするなら、高級CDプレイヤーを買うよりも、その金で高品位なオーディオ出力を増設したパソコンを自作して、そのハードディスクにWAVE形式でCDを取り込んでそのまま聴いたらいいのに、なんならネット配信でダウンロード購入した WAVEのデータが一番きれいなデータなのかも?などと考えてしまう自分は、完全にパソコンマニア側でしょう。こういう意見に対するデフォルトの反論も用意されているはず。

「ハードディスクの聴き比べ(→Link)」「オーディオ専用LANケーブル(→Link)」なんていうのが始まっている現状、今後ネットを舞台にオーディオマニアとパソコンマニアの間で様々な抗争が勃発することは間違いないでしょう。

http://www.spotlight-jp.com/matsutake/mt/archives/2009/08/cd.html


麻倉怜士のデジタル閻魔帳:記事一覧 - ITmedia +D LifeStyle
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