アニメーション映画の宮崎駿監督が、岩波少年文庫から選んだ50冊それぞれに推薦文を書いた。企画・脚本を担当したスタジオジブリの映画「借りぐらしのアリエッティ」が同文庫の『床下の小人たち』を原作にしていることから、同映画の公開に合わせて岩波書店の協力でジブリが小冊子にまとめた。
岩波少年文庫は1950年に創刊し、約400作品が刊行されている。冊子は豆本サイズで、文庫1冊ごとに見開きで表紙と推薦文を紹介した。いずれも宮崎さんが読んだ当時の表紙を載せている。
「本がとても貴重だった時代には、1冊ずつに非常に意味があった。この年月の間の本と人間との関係の変化には、愕然(がくぜん)とせざるを得ない。それでも、いま読んだらやっぱり意味があるのではないかという本を選んだ」
選ぶ時には、本が好きな小学生の友人を思い浮かべた。自分にとって大事な本。将来の読書の入り口となる本。今回初めて読んだ本もある。