◇ エスノグラフィー とは - 知っておきたいIT経営用語:ITpro
効果◆新商品開発に効果
エスノグラフィーが発達した理由は、植民地政策の名残や多民族国家という背景だといわれています。欧米企業のほうが、商品開発やマーケティングに生かすのに熱心です。ある大手飲料メーカーは、消費者に終日尾行し行動をつぶさに観察し綿密に記録していたそうです。こうした業務を担う専門家はエスノグラファーと呼ばれています。POS(販売時点情報管理)から分からない実態が把握できるのでしょう。「なぜ買ったか」すなわち「なぜ売れたか」が分かっても、次に「何が売れるか」は見えづらいもの。エスノグラフィーでの行動観察や綿密なインタビューは、新しい市場、隠れた需要を発掘するかもしれません。
日本企業でも消費者の行動観察や、グループインタビューやデプスインタビューといった聞き取り調査は珍しくありませんが、エスノグラフィーの手法にのっとり組織的に実践する事例はまだ少ないようです。
事例◆大日本印刷は新サービス開発に活用
大日本印刷は2009年に携帯電話に所有者に役立ちそうな情報を無料で配信する『Magitti(マジッティ)』というサービスを始めます。開発に当たり、米パロアルト研究所のエスノグラファーに協力を仰ぎました。両者は渋谷の若者にインタビューを繰り返し、エスノグラフィー的なアプローチによってこれまで消費者の潜在的な需要を吸い上げて、サービスの構想を練りました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20100204/344197/
民族誌(みんぞくし、民族誌学とも。英: ethnography)は、フィールドワークに基づいて人間社会の現象の質的説明を表現する記述の一種。英語の、ethnographyは、ギリシア語のethnos=国民・民族と、graphein=記述に由来する。
民族誌は、あるシステムの様々な特性は、お互いに関係があり、単独では必ずしも正確に理解できないという考えに基づいた総合的な調査の結果である。 このジャンルは、形式と歴史において旅行記及び植民地政府の報告書の系譜を引く。いくつかの学問の伝統、特に構造主義と相対論的パラダイムにおいては、有効な研究方法として民族誌的な研究が要求される。