唯一、写真だけがいまだに自然主義的でいられる芸術であり、実際のところ、それは自然主義によって最大限の効果を発揮する。絵画や詩と異なり、写真はそこに明示された主題や逸話、メッセージにすべての重点をおくことができてしまう。いまだにかくも相対的に機械的でニュートラルなメディウムであればこそ、アーティストは、写真以外では「陳腐」になること必至の行為、すなわち「ヒューマン・インタレスト」に同一化することが許される。ゆえに、かつては風俗画や歴史画に属していた領域を今後は写真が継承していくように思われ、また写真は、絵画が歴史的発展の力により導かれた場所について行こうとする必要もないと思われる”
※ティエリー・ド・デューヴのテクストより重引