Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

Whole Earth Catalog Stay Hungry Stay Foolish

http://www.wholeearth.com/


◇ 全地球カタログ - Wikipedia

『全地球カタログ(ぜんちきゅうかたろぐ)』(Whole Earth Catalog)とは、アメリカ合衆国で発刊された、ヒッピー向けの雑誌[1]。WECと略される[2]。

1968年にスチュアート・ブランドによって創刊された。ヒッピー・コミューンを支えるための情報や商品が掲載されていた。創刊号の表紙を飾ったのは1966年にブランドが起こした運動が功を奏してNASAから発表された、宇宙に浮かぶ地球の写真である[3]。
1974年に、『Stay hungry,stay foolish(ずっと無謀で[4])』という言葉を裏表紙に飾って廃刊した。この言葉を、スティーブ・ジョブズスタンフォード大学の講演で学生たちに贈る言葉として紹介した[5]。

サイバネティクス :創刊号にノーバート・ウィーナーの同名書のレビューが掲載された[6]。
DIY :紹介されるツールの傾向のひとつ[7]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9C%B0%E7%90%83%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%82%B0


◇ Asahi News Paper Reviews 2011/7-9 -

スチュアート・ブランド『地球の論点』(英治出版

 七〇年代米西海岸文化を支えた「全地球カタログ」。大企業と政府による消費と管理の枠組みに対抗し、個人の創意と自由に基づくエコライフスタイルを提案した雑誌だ。同誌の標語「ずっと無謀で」はアップル社のジョブズ座右の銘にもなった。

 その伝説的な編集発行人が、本書の著者スチュアート・ブランドだ。その後も電子コミュニティ初期の論客として、ネット社会の議論形成に貢献した。いまの環境保護論者の多くは彼の影響下にある。

 本書はそのブランドが地球温暖化を懸念し、対策を提案した本だ。その答は、都市化促進、気候工学、遺伝子工学、そして……原子力推進だ。

 ファンたちは仰天した。いずれもかつてのブランドが全否定した技術ばかり。だが本書は「転向」の根拠を反駁しがたい詳細さで説明する。

 さらに統計学者ロンボルグが地球温暖化否定論者として(誤って)批判されるが、実は彼の支持する温暖化対策はブランドとまったく同じ。立場に依らない結論の一貫性は、利権や党派的な歪みの不在を図らずも示している。

 温暖化にもっと気長な取り組みを主張する声もある。その場合も本書の技術は、他の面で人類の将来に大きな意味を持つ。今の日本では、多くの読者は本書に反発するだろう。目下の原発事故で著者の見解も変わるかもしれない。だが脱原発を訴える人こそ本書を読んでほしい。本書でも指摘の通り、原発といっても様々だ。重要なのは長期的な可能性を理解した上での選択なのだから。

 「全地球」を看板に個人の自由とミクロな技術の意義を訴えてきたブランドが、本当の全地球問題で巨大システムと大規模科学に救いを求めるとは皮肉。だが結論に同意せずとも、その選択を直視した著者の誠実さは尊重すべきだろう。また敢えてこの時期に本書を出した版元の蛮勇にも脱帽。 (2011/07/24 掲載, 朝日新聞サイト)

(コメント:Stay Hungry, stay foolish の訳を「ずっと無謀で」にしてみた。それにしても英治出版は、これ以外にも「パワーハングリー」を出したり、エネルギー収支考えたら原発もやっぱ検討しないとダメよ、という主張の本をそろえているようでおもしろい。あと、同社の「笑顔の国、ツバル」は、温暖化危機をあおるために扇情的な描き方をされるツバルの実情を描いた本で、恫喝エコロジストなら反温暖化本だと解釈するんじゃないかな。ところがそれを書いたのが……枝廣淳子??!! あのゴアのインチキ本 (失礼。でもそうなんだもん) の訳者? びっくり。と同時にお見それしました。)

http://cruel.org/asahireview2/asahi2review02.html#wholeearth