◇ 新潟市美術館:かびやクモ発生…何が起きていたのか - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20100321k0000m040062000c.html
◇ 新潟市美術館:仏像展会場変更 さらなる責任も 新潟市長、減給へ /新潟 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/niigata/news/20100320ddlk15040142000c.html
◇ 仏像展会期 1週間短縮 : 新潟 : 地域 - YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20100328-OYT8T00125.htm
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◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月09日 - Twilog
北川館長をクビにした事で、新潟市長は任命責任を問われる訳だ。しかし少なくとも政治的には、カビ・ムシ問題は敢えて市長が面目を潰す程の重大事ではない。それなら、全館燻蒸の補正予算をつけ、記者会見で北川館長に型通りの「反省」でも表明させれば済む事だ。
北川問題「本来なら、建設にかかる経費と旧新潟市民が血税を注いだ作品収集費の和である約60億円と、20数年間の運営費の積算、そして汗を流しながら切り捨てられていった専門職員の心的苦痛を償うすべてを弁済してから美術館を去り給えと申し上げたい」http://bit.ly/aS3i96
「新潟市美術館を考える会」が、ふと用いてしまった「弁済」の語は、会員の「既得権」を喧伝するかのような印象も与える。同会には元職員はおろか、画廊主さえ名を連ねているのだ。拙劣に過ぎて、かえって何かのカモフラージュではないかと勘繰りたくなる。
独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所は、とばっちりを蒙っただけか。それとも「本丸」なのか。RT @edtion1: 東文研:確認前に「お墨付き」 クモ発生の新潟市美術館に 毎日新聞http://bit.ly/bDZLcL
新たに開館する館や、国宝・重文を他所から借り受けようとする館に対する指導・助言は、東文研の重要なミッション。しかし実際には、リトマス試験紙を使った簡便な空気環境の調査と、ファシリティ・レポートの書面提出を求めている程度である。新潟市美の問題は、どこの館にも起こり得るものだ。
これらの中にも「地雷」があり得たろう。新潟市長「昨年度は過去最多の入館者数を記録した「大ナポレオン展」を、市民や関係者の協力で大成功させることができました。また、社会性の高い「水俣・新潟展」が開催される一方で、新潟市の生んだ漫画家「高橋留美子展」など親しみやすい企画展も実施され」
「どーだね若い人よ、誰か、そのへん突っ込みませんか」に同感。QT @hiroshi_yok: @kogurenob こんにちは。北川フラムさんの件、こんなコメント(感想?)も見かけました。http://yakupen.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09
http://twilog.org/qualquelle/date-100309
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月10日 - Twilog
新潟市美問題。東文研は強気であった。「佐野千絵・東文研保存修復科学センター保存科学研究室長は「担当の学芸員との信頼関係は確立されている」として、改めて環境調査をせず書類は有効との考えを示している」(毎日、3月9日) http://bit.ly/aBQJtc
ところが、文化庁が東文研のハシゴを外す。「「奈良の古寺と仏像」展で、国宝と重要文化財の展示が危うくなった。同館でカビやクモが発生する失態が続き、文化庁が管理態勢を憂慮。現状では公開は認められないと8日に市に伝えたためだ」(朝日、10日) http://bit.ly/bnHThC
文化庁のハシゴ外しは、問題を新潟市美に局限したもののように思われる。先のツイートでも述べた通り、カビやムシは同館のみの問題ではない。東文研の美術館・博物館に対する指導・助言の杜撰さに火の手が及ぶのを、小さな恥をかかせるのみでとどめたのではないか。
1928年、黒田清輝の遺産によって設立された黒田記念館内に美術研究所が設けられたのが2年後の30年。東京文化財研究所の前身である。同所美術部は正に嫡流であったが、2007年に廃止された。高松塚古墳問題で失態をさらした保存科学部はテコ入れ、弱小セクションが切られたかたちである。
東文研のライブラリーは今は情報資料部の所管。上野のウォーバーグとも言うべく、日本美術史を学ぶ者の揺籃であり聖地であり続けているが、これで益々ワリを食うような事がないよう念ずるばかり。大鉈を加えるべきは同研究所保存修復科学センターだ。北川フラムの不手際など問題の最末端に過ぎない。
北川フラム「いままでぼくが戦略的にやってきたことというのは、要するに文部科学省ルートではなく、国土交通省ルートで美術市場を開拓すること」http://bit.ly/brOKvk
自己QT @qualquelle: 北川氏の言う構図を借りるなら、新潟市美術館を考える会は、「国土交通省ルート」の北川氏への「文部科学省ルート」の守旧的な抵抗かも知れない。
新潟市で起った事は、「国土交通省ルート」に対する「文部科学省ルート」の逆襲のように見える。では、誰が「文部科学省ルート」を動かしたのか。そして、北川フラムをスケープゴートに仕立て上げた目的は何か。
2014年の北陸新幹線開業後の衰退を懸念する新潟県・新潟市の振興策を、双肩に担うキーパースンが北川フラムだった。この振興策自体が面白くない者がいるとしたら、それは北陸新幹線の沿線自治体であろう。
新潟市美ないし北川フラムの問題を、「国土交通省ルート」への「文部科学省ルート」の逆襲と捉える。これを更に、新幹線をめぐる新潟県と北陸3県の対立構図の中で読み替える、という陰謀論を妄想する。つまり石川2区からは、文教族のドンである森喜朗が出ているのだ!
http://twilog.org/qualquelle/date-100310
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月11日 - Twilog
北川フラムの人物像について。父・北川省一は、「東京大学を中退し、越後で農村をまわる貸本業や本の回読会をした。こうした啓蒙活動は、ほぼ失敗に終わり、左派の知識人としての挫折を抱えながら、省一は後に良寛の研究に没頭した」(山盛英司)http://bit.ly/aBdTBl
北川フラムの父・省一は、没後の今も地元新潟では良寛思想のエヴァンジェリスト、道学者として畏敬の念を集めているように思われる。北川先生の息子さん、というような好意的な目で彼を見る向きも少なくなかった筈だ。
北川フラムの東京芸大での恩師・水野敬三郎は、仏教美術史の泰斗であり、新潟県立近代美術館前館長(現名誉館長)でもある。新潟市美への「奈良の古寺と仏像」展誘致に、水野氏の仲介もあったとしたら皮肉である。
3月10日、更迭報道のかまびすしい中で、北川フラムは「第7回オーライ!ニッポン大賞グランプリ(内閣総理大臣賞)」の表彰式に出席。越後妻有アートトリエンナーレの代表者として、赤松農水相から賞状とトロフィを授与された。http://bit.ly/dnuerm
3月1日、日銀高松支店は「瀬戸内国際芸術祭」の香川県内経済への波及効果を50億円とする試算を発表。総合プロデューサーは福武總一郎、総合ディレクターは北川フラム。http://bit.ly/96K9Do
福武總一郎は、越後妻有アートトリエンナーレ2006、2009に、「福武ハウス」を出展。2009では総合プロデューサーとしても名を連ねた。平山征夫前新潟県知事に代わる後ろ盾を、北川氏は既に見つけ出しているように思われる。
http://twilog.org/qualquelle/date-100311
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月15日 - Twilog
新潟市美術館を考える会「今回の朝日の記事は、一方的な推測記事で、市の幹部の名を借りて、われわれへの取材をせず、あたかも更迭の原因が我々にもあるかのごとき記事」と抗議。確かに、同会にそれ程の力はあるまい。http://bit.ly/de7Cjt
新潟市美術館を考える会「我々の闘いは、市民の財産である美術館を私物化し、破壊する者への闘い」と更なる活動を宣言。このような無邪気さは、正に北川フラムのものでもあったろう。http://bit.ly/de7Cjt
新潟市美術館を考える会「政治が先頭に立って横暴に文化に関与するとろくな事が起こらない」と水と土の芸術祭を批判。元同館関係者の会員諸氏には、自らも自治体の諸施策の「先頭」にあり、時として「横暴に文化に関与」した自覚なり反省は、欠片もない訳か。http://bit.ly/aQPpB2
新潟市美術館を考える会は、サイトに北川フラム館長就任前の企画展一覧を掲載。当時の「企画力」を誇るが、パッケージの巡回展多数。自主企画展らしきものを見ると、コンテンポラリーな動向にも、地域の美術史の調査研究にも、概ね無関心であったと知れる。http://bit.ly/99pACH
新潟市美術館を考える会の「功徳」は、美術関係者(特に公立美術館職員)が「公」を論ずる時に陥りがちな、蒙昧・傲慢・偽善といった種々のブザマが、白々と示された所にあるだろう。
不特定多数の市民を代表し得る「趣味」、公益を実現し、これと調和し得る「美術」など、存在しない。むしろ、そのようなものをあると言い募る偽善や狂信をこそ、日本の「美術」と呼ぶべきである。
ところで、新潟市美術館を考える会は、代表の林紀一郎元館長、会員の市橋哲夫元学芸係長の在職中の、作品や施設管理の実際、空調設備の仕様、調査研究活動の成果などについて、事細かに伝えては如何か。専門家ならではの厳粛な御見識を伺いたいものだ。
http://twilog.org/qualquelle/date-100315
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月18日 - Twilog
@miho_nakanishi 新潟の市立ミュージアムとしては、美術館のほか歴史博物館もありますが、いずれも地域の美術史には熱心ではありません。また、新潟市美の学芸員には独自の成果と言える程の研究・批評の実績は殆どありませんし、企画会社のパック購入が常態化していたのも事実です。
@miho_nakanishi と言って、かつての新潟市美がそう悪い美術館だったとも思いませんが、個人的には「中の上」くらいの評価。同じ位の規模で、もっと頑張っている市立館は幾らもあります。北川シンパでもないつもりですが、彼だけを悪者にするのでは大きな問題を見逃すと思っています。
アートの公益性や啓蒙性に対する、闇雲に情緒的な信頼・希望・期待も、対立を超えて通じ合う。更に無謀な事には、これらの錯誤が、自己実現の野心(あるいは就活や猟官運動?)に結び付いているらしい手合いすら数えられる。
http://twilog.org/qualquelle/date-100318
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月21日 - Twilog
新潟市美術館問題。北川フラムの発言「僕はもともと仏像が専門。実現しようと、一生懸命やったので悔しい」は痛い。経済学部卒だから経済学者と自称するようなものだ。http://bit.ly/dh8eLR
北川フラム「僕の責任も大きいと思うが、(館員の対応が)お粗末。カビやクモが出た時、僕より先に報道(機関)に話が回った」も痛い。http://bit.ly/dh8eLR
北川フラムは3月末での任期満了をもっての「退任」の筈が、12日付での文字通りの「更迭」となった。クビだ。これは北川氏のみならず、任命権者たる新潟市長にとっても最悪の事態である。http://bit.ly/cDbbYX
新潟市の人事は発表延期。http://bit.ly/dkVhJe 市長は自身と副市長に減給処分を課したが、これだけでは「私の責任が果たせるとは考えていない」と表明。http://bit.ly/cs0BMc 同市の重職にある人達は戦々恐々、人事当局も眠れぬ夜が続いている事だろう。
年度末である事が事態を益々混乱させている。新潟市の財政当局も修羅場だろう。「奈良の古寺と仏像」展の新潟県立近代美術館への会場変更に伴い、開催経費の予算執行を凍結。新潟県に開催負担金を拠出すべく金額の検討・交渉を始めた由。http://bit.ly/cs0BMc
同一県内での県立館を会場とする展覧会に、市の予算が投じられるというのは非常なレアケースだろう。新潟近美としては、既定の展覧会を弾き飛ばして「奈良の古寺と仏像」展を受け入れる訳である。
毎日記事の随所が興味深い。北川館長に「追われた一人」の元学芸員のコメントは、新潟市美を考える会と歩調を揃える。「まさか全員を異動させるとは。作品の保存と研究という美術館の使命、存在意義を忘れている。(市長は)美術館を完全に壊すつもりか」http://bit.ly/aU0weB
北川氏の反論。古参学芸員の粛清は、市の意を受けての事だったと仄めかしている。「どこの美術館もそうだが学芸員は10年、20年、永久就職。事務職は2、3年で代わるから、学芸員の独立王国になる。僕が来る前から市と学芸員の間でいろいろ問題があった」http://bit.ly/aU0weB
美術館職員の相次ぐ異動や退職が問題になった例は、他にもある。北九州市立美術館や金沢21世紀美術館など。いずれも、市当局と現場、あるいは学芸セクションと管理セクションとの緊張関係が背景であった。
これも毎日記事。「伊藤栄一・市美術協会長(77)は来賓としてテープカットする心づもりだった。しかし、リボンや席は用意されておらず、一般招待客扱い。「なめられたかな」。式典終了後、北川氏と名刺を交換したが、抗議の言葉はのみ込んだ」http://bit.ly/aU0weB
新潟市美術館を考える会は、そのWEBサイトによれば19日に「緊急記者会見」を開催した由。これを伝える記事が、管見の限り見当たらないのは不思議である。会場が文部科学省内の記者クラブであった事も気になる。http://rencam.info/wp/?p=973
新潟市美術館を考える会は、新潟近美の攻撃も始めている。特に、横山秀樹同館副館長を血祭りに上げたいようだ。http://rencam.info/wp/?p=701 http://rencam.info/wp/?p=982
http://twilog.org/qualquelle/date-100321
◇ qual quelle(@qualquelle)/2010年03月28日 - Twilog
新潟市美術館を考える会は、3月19日に文部科学省記者会で記者会見を開催。要求の一つに「排除した元学芸員の復帰」がある。http://rencam.info/wp/?p=1066
北川フラム氏は、古参学芸員の更迭は、市の意を受けての事と仄めかしていた。「どこの美術館もそうだが学芸員は10年、20年、永久就職。事務職は2、3年で代わるから、学芸員の独立王国になる。僕が来る前から市と学芸員の間でいろいろ問題があった」http://bit.ly/aU0weB
神田直子元学芸員の文章「小山田二郎の絵画が、生と死の壮絶な相克によって成立していながらも、それが、人間が真に生きていることの精神的確証を探求する物語であり、生きていることに対する切望がそこに表出されている『喜劇』であることを(以下略)」http://bit.ly/cAHd2r
木村一貫元学芸員の文章「(前略)物差しというものを,大平實は使わない。厳密な幾何学的形態とはどこが違う,自然界から生まれたかのような心地よいたたずまいも,まるで大平實の直感というものに組み込まれている,といったふうである」http://bit.ly/9NvQBC
神田氏は新潟市美術館から職員健康管理課へ、木村氏は市歴史博物館へ異動。そしてもう一人、西蒲区役所地域課に移った谷哲夫は、新潟市美術協会会員の彫刻家でもある。http://bit.ly/9jRudV
新潟市美術協会。毎日記事「伊藤栄一・市美術協会長(77)は来賓としてテープカットする心づもりだった。しかし、リボンや席は用意されておらず、一般招待客扱い。「なめられたかな」。式典終了後、北川氏と名刺を交換したが、抗議の言葉はのみ込んだ」http://bit.ly/aU0weB
新潟市美術館を考える会会員の市橋哲夫は、元新潟市美術館学芸係長。新潟市美術協会の会長を務めた画家でもある。同協会会長は、新潟市美の外部有識者会議の委員を務めるのが慣例だったようだ。http://bit.ly/chQBtZ
例えば東近美が、日展会員である画家や彫刻家をキュレーターとして任用する事などあり得ないだろう。そういう「大胆」な人事が、北川フラム着任以前の新潟市美術館では実際に行われていた訳である。
新潟市美術館を考える会の林紀一郎会長は、新潟市美初代館長、美術評論家。その文章「男がいて、女がいて、貴方がいて、私がいて、人間がいて、愛がある。/愛に寄り添う喜びと悲しみ。愛につきまとう 不安と憂鬱。/その愛のさいはての死・・・・。」http://bit.ly/b89YgH
要するに北川フラム着任以前の新潟市美術館は、地元アマチュア作家と、その御用を承って情緒的な感想文を垂れ流すアマチュア評論家をもって、学芸員に任じていた訳だ。恐るべきマッチポンプである。
http://twilog.org/qualquelle/date-100328
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◇ 新潟市美術館問題は美術館問題(カビ、虫、北川フラムはさておき)<7> - 東京芸術史 〜作家インタビュー、現代アート情報
3月4日に僕が最初の意見を書いて以来、関連エントリーの閲覧数は計2000PV近くに上り、うちのサイトにしてはアクセス数が多い。さらに文章の抜粋がタンブラーやツイッター上でぐるぐるめぐってもいる。とは言え、これらは当然現実的なレベルでは何の影響力もないわけであり、本来なら発言力のある立場にある人たちがきちんとした議論喚起をしなければならないはずだ。それも迅速に。なぜなら、往々にしていったん世論が形成されてしまうと、それを揉み解して再考させることは非常に困難だからだ。
ARTiTというアート情報サイトに美術関係者数十人がブログを立ち上げているけれど、誰かこの問題を取り上げただろうか。アートスケープで美術館の未来がどうのこうのという記事が載っているけれど、なぜ、目の前で起きている問題を取り上げないんだろう。もちろん、どこかできちんと誰かが書いているのかもしれないけれど、僕が見た限りでは、web complexのブログで、短く触れられているだけだ。今後続々活字となるかもしれないけれど、文脈は発生するのではなく形成されるものであり、その道の専門家たちは時としてもっと迅速でタイムリーな対応が必要だろう。
http://tokyoartvillage.blog36.fc2.com/blog-entry-403.html
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>>>田中功起さん(http://kktnk.com/)のツイッターより
http://d.hatena.ne.jp/n-291/20100311#p5