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福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

ネルソン・グッドマン - Wikipedia

ネルソン・グッドマン(Nelson Goodman、1906年8月7日 - 1998年11月25日)はアメリカの哲学者。認識論、言語哲学、美学などで業績を残した。1951年の著書「The Structure of Appearance」では師のC.I.ルイスから継承した議論を展開し、そのなかでクオリアに関する研究の先鞭をつけたことでも知られる[1]。

1928年にハーバード大学を卒業。カルナップやクオリアの概念を提出したことでも知られるクラレンス・アーヴィング・ルイスに影響を受ける。ボストンで画廊を経営しつつハーバードの大学院で学び、1941年に学位取得。第二次世界大戦時に従軍した。
戦後、1946年から1964年にかけてペンシルベニア大学で教える。このときの生徒には、ノーム・チョムスキーやのち政治哲学者となるシドニー・モルゲンベッサー(Sidney Morgenbesser)やヒラリー・パトナムがいた。「哲学学部」としての縛りを嫌い、ハーバード大学の認知研究所(the Harvard Center for Cognitive Studies)の研究員となり、のちいくつかの大学を転々とし、1968年よりハーバード大学で教鞭をとった。

世界制作論
1975年の『世界制作の方法』において、グッドマンは「人間はヴァージョンを制作することによって世界を制作する」という主張を行った。「ヴァージョン」とは記号システムのことである。例えば、日常的知覚、言語的表現、絵画作品、音楽、表情、身振りなどはいずれも「記号システム」であるが、世界制作とのかかわりで認識論的に重要なのは当然ながら「科学理論」にほかならない。
世界制作論のいくつかの重要な含意のうち最も問題をかもすのは、その複数主義であろう。すなわち、論理的に両立し得ないが「正しい」複数のヴァージョンがありうる、という主張である。それゆえ世界は数的に複数存在することになる。これをどのように解釈すべきだろうか。
彼のこの見地は一種の構成主義であるが、ヴァージョンの背後に何かしら実在する世界なるものを認めるわけではない。この意味で世界制作論はある種の反実在論、いや非実在論(irrealisim)を主張している。この思想は古代東アジアに発祥したブッディズムとりわけ「唯識論」に酷似する点に注意が必要かもしれない。
「緑」と「グルー」のどちらを選ぶかという選択に見られるように、われわれがどういう述語を使って世界を切り分けるかで、世界を構成する基本的なカテゴリー、すなわち世界の存在論は全く変わってくる。同等に「正しい」複数の存在論が存立する結果になる。しかしグッドマンはカント的な「物自体」を是認しない。グッドマンのこうした考え方はヒラリー・パトナムに影響を与え、パトナムが内的実在論を展開する一つの起因となった。


藝術の記号主義的解釈
グッドマンはまた美学の分野において藝術を科学と同等の認識論的機能を有する「もうひとつのヴァージョン」のあり方として重要視している。彼によれば、藝術は科学と遜色のない認識価値を有するのである。

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