さて、ところでそんな『思想地図』ですが、第2号の特集は「ジェネレーション(仮)」を予定しています。また、詳細はまだ確定していないのですが、6月あるいは7月に公開シンポジウムを開催する予定です。そちらのテーマは「公共性とエリート主義」になるはずです。
エリート主義?と首を傾げるひとがいるかもしれませんが、これはじつは、なぜか明示的に話題になってこなかっただけで、いまの日本の思想界を理解するうえで隠れたキーワードなのではないかと思います。たとえば、宮台真司さんとぼくの「対立」は、要はエリート主義にどれだけコミットするかという違いです。ナショナリズムだとか民度だとかいう言葉を使うと話がぼやけてくるのですが、公共的な価値にコミットできる人間を集中的に育てないと国がだめになる、って要はエリート教育待望論です。そしてそれは格差社会の話にも繋がります。ぼくたちはエリートを育てることでしか公共的価値を涵養できないのか、これはなかなか深い問いなのです。
http://www.hirokiazuma.com/archives/000397.html
◇『思想地図』発売されました - サイトー商会:新忘れじのレイドバック
[共同討議]
「国家・暴力・ナショナリズム」 東浩紀+萱野稔人+北田暁大+白井聡+中島岳志1 歴史のなかの「ナショナリズム」
・日本右翼再考――その思想と系譜をめぐって 中島岳志
・日韓のナショナリズムとラディカリズムの交錯――韓国の進歩イデオロギーと日本のアジア観を事例として 高原基彰2 ニッポンのイマーゴポリティクス
・マンガのグローバリゼーション――日本マンガ「浸透」後の世界 伊藤剛
・データベース、パクリ、初音ミク 増田聡
・物語の見る夢――華文世界の文化資本 福嶋亮大
・中国における日本のサブカルチャーとジェンダー――「80後」世代中国人若者の日本観 呉咏梅[鼎談]
・日本論とナショナリズム 東浩紀+萱野稔人+北田暁大
・ブックガイド「日本論」 斎藤哲也3 問題としての日本社会
・「まつろわぬもの」としての宗教――現代日本の「宗教」の位相 川瀬貴也
・〈生への配慮〉が枯渇した社会 芹沢一也
・社会的関係と身体的コミュニケーション――朝鮮学校のケンカ文化から 韓東賢4 共和主義の再発明
http://saitoshokai.seesaa.net/article/94759121.html
フリー編集者・斎藤哲也さんのブログより。
◇ 『思想地図 vol.1』
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http://www.bk1.jp/product/02999452