少しでも多くの写真論に触れたいと思って、いまさらのように『ART IT』創刊三号『特集 日本の写真』を買ってくる。たまたま読んだ浅田彰の『中平卓真という事件』を読んでガッカリする。
中平卓真を称揚するのはいいと思う。彼の写真も、彼の言葉も、日本の写真を読み解いていく上で大切な歴史の一部だし、その解読を通じて見えてくることもとても多いと思う。
ただ、その称揚のためのテコ入れについては、余りに図式的過ぎて平凡だと感じた。
“中平卓真の写真をイノセントとみなすことは誤りだ”
この指摘は、そのまま浅田彰的『J文化人』の紋切り型な価値観を反映している。
http://japan.cnet.com/blog/takahito/2006/11/14/post_75f1/
井口尊仁氏*1のブログ「アート資本主義」より。
本文中の「中平卓真」は「中平卓馬」のタイプミスですね。
それはさておき、効用と限界を考えるべきなのはご自身のブログなのでは?
【参考】『論座』も必ずしも読むところがないわけではないこと。(2007/09/04) 山形浩生
しかも批判している構図に自分の文がまさにぴったりあてはまるという自覚を徹底的に欠いただらしない代物。
http://cruel.org/other/tateishiobata.html
◇ ガンダム世代が知ってて損はないハズ 日本の現代美術家10人 【ポスト村上隆】:アート資本主義 - CNET Japan(2007/12/12 21:30)
野口里佳は1996年に写真新世紀グランプリを受賞しているのですが(同じ96年に蜷川実花は優秀賞を獲得)、他の女の子写真家(と、当時呼ばれていた)作家達とは異なり、淡々と静溢な作品を撮り続けています。いわゆる商業カメラマンとしてではなく展覧会中心で活動している点や、撮影技法やプリントにもこだわっている点などが目立った違いかも知れません。ただ、その作品には芸術的な高尚さよりも、もっと知的好奇心にあふれた愉快さ、愉悦のようなものが強く感じられ、そこに換え難い魅力を感じるのです。
http://japan.cnet.com/blog/takahito/2007/12/12/entry_25002934/
“いわゆる商業カメラマンとしてではなく展覧会中心で活動している点や、
撮影技法やプリントにもこだわっている点などが目立った違い”???
*1:『盲導犬クイールの一生』の石黒謙吾氏と組んで『ぞりん』という本を出版している方です。
「jpeg girls」なる企画モノ(http://mixi.jp/view_community.pl?id=168736)に挫折したのか、
アート、アート、言わなくなったようですが、相変わらずバズワード多めです。
最近は「セカイカメラ」なる本業のほうでの企画モノで
新しい世界観(セカイ観)を提案しようとしているようです。