Übungsplatz〔練習場〕

福居伸宏 Nobuhiro Fukui https://fknb291.info/

データを「10億年」保持可能:カーボン・ナノチューブ利用 - WIRED VISION

カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが、カーボン・ナノチューブを用いた新しいデータ保存技術を考案した。10億年以上もデータを保持できるというものだ。

同技術は、現在のデータ保存方法全般に見られる問題を改善するために考案されたという。記録密度が高まるにつれて、記録媒体の寿命は短くなっている、と研究チームは指摘する。たとえば、石に刻んだ文字は、3800年経ってもまだ大部分が読めるが、現在普及しているデジタル記録技術、たとえばハードディスクドライブやフラッシュメモリなどの寿命はわずか10〜30年ほどだ。

さらに、走査型トンネル顕微鏡(STM)を使い、個々の原子を動かして書いた文字は、室温でほんの数秒間しか保存できない[大阪大学の研究者たちは、室温環境下における原子操作に成功している]。

しかし、10億年もデータを保持できる記録装置が実現すれば、この状況は一変するかもしれない。人類はその中に、ありとあらゆるデータ――古代の写本のデジタル版(日本語版記事)から、ついさっき『Twitter』につぶやいたことまで――を収め、遠い未来の地球が、知能の発達した、核融合を動力とするサイボーグの蟻たちに侵略されてしまっても、そのずっと後まで記録を残しておけるようになるだろう。

http://wiredvision.jp/news/200906/2009060323.html